ポテンシャルとは?意味や例文、高い人の特徴、採用方法をわかりやすく解説
ポテンシャルとは、まだ発揮されていない潜在能力や成長の可能性を指す言葉です。個人の成長を見込んで採用や育成に活かす企業も増えています。
本コラムでは、ポテンシャルの言葉の意味やポテンシャルが高い人の特徴、高める方法、ポテンシャル採用などについてわかりやすく解説します。
ポテンシャルとは
ポテンシャルは英語の「potential」とほぼ同じ意味で使われ、「潜在能力、可能性、将来性」などを表す言葉です。
ビジネスシーンでの「ポテンシャル」の使い方と例文
ポテンシャルは、ビジネスシーンでよく使われる言葉です。主に「まだ発揮されていない潜在能力」や「成長する可能性」などの意味で使用されます。
例文とその意味を、以下の通りご紹介します。
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新入社員のAさんはポテンシャルを秘めている。
意味:新入社員のAさんには、まだ表に出ていない能力や才能がある。
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新しいプロジェクトを任せたことで、彼のポテンシャルを引き出せた。
意味:新しいプロジェクトを任せたことで、彼の隠れた能力が発揮された。
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彼女のポテンシャルを見込んで、プロジェクトリーダーを任せた。
意味:彼女の能力や将来的な成長を期待して、プロジェクトリーダーを任せた。
モチベーションとポテンシャルの違い
モチベーションとポテンシャルはどちらも個人の成長や成功に関わる言葉として使われます。しかし、本質的な意味は異なります。
モチベーションは「動機を与えること・動機づけ」など、物事に取り組む際のやる気や意欲を意味します。本人の「気持ち」が含まれるところがポテンシャルと大きく異なる点です。
「モチベーションが高い」はやる気がある状態、「ポテンシャルが高い」は能力を秘めている・期待感があるという状況を指します。
ポテンシャルの類語や似た表現
「ポテンシャル」に近い意味を持つ言葉や表現は、ビジネスシーンでも頻繁に使用されます。文脈に応じて使い分けることで、より的確なコミュニケーションにつながるでしょう。
ここでは以下の通り、代表的な類語や関連表現を5つご紹介します。
- 潜在能力
- 可能性
- 将来性
- 素質
- 伸びしろ
1つずつ見ていきましょう。
潜在能力
「潜在能力」はまだ表に出ていない、隠れた能力を表す言葉です。ポテンシャルとほぼ同義で使われます。
例文
彼の潜在能力は計り知れない。
可能性
「可能性」は、将来実現する見込みや事柄が起こる見通し、潜在的な発展性などを示します。
例文
この技術には、私たちの生活を大きく変える可能性がある。
将来性
「将来性」は、将来的に成功や成長が期待できることを示す言葉です。人材や事業に対して今後の発展が見込める場合に使われることがあります。
例文
この商品には将来性がある。
素質
「素質」は生まれつきの才能や適性を示します。潜在的な能力を表現する場合にも用いられます。
例文
彼は音楽の素質がある。
伸びしろ
「伸びしろ」は今後成長する余地や可能性を表す言葉です。特に、現状の能力に対してさらに高められる余力がある場合に使われます。
例文
このプロジェクトにはまだ伸びしろがある。
ポテンシャルを構成する6要素
ポテンシャルは以下の6つの要素で構成されると考えられます。
- ①分析力
- ②思考力
- ③実行力
- ④客観性
- ⑤成長意欲
- ⑥責任感
これらの能力が高い人はポテンシャルが高い傾向があるといえます。1つずつ詳しく見ていきましょう。
①分析力
「分析力」は複雑に絡み合う物事を細かな要素に分け、関係性を捉えつつ構成を明確にする能力です。膨大なデータを正確に分析するためには、細かい部分に着目する力が求められます。
②思考力
「思考力」は物事を論理的に整理して考える力です。思考力が高いと、物事を深く考えられるため、説得力のある説明ができます。また、自分中心ではなく、相手の視点で物事を考えられることも思考力に含まれます。
③実行力
「実行力」は目標達成に向けて計画を立て、行動してやり抜く力です。場当たり的な行動ではなく、計画を実行し、物事を完遂する能力と言い換えられます。
④客観性
「客観性」は第三者の視点に立って、物事を冷静に判断する能力です。問題点を様々な観点から把握できるだけでなく、自分自身のことも客観的に捉えられるため、自らの間違いを軌道修正できます。
⑤成長意欲
「成長意欲」とは、組織において与えられた職務や役割をこなし、自分の能力やスキルを積極的に高める姿勢のことです。成長意欲が高い人は経験の積み重ねや、学ぶこと自体に貪欲な傾向があります。
⑥責任感
「責任感」とは、任された仕事に責任を持って、最後まで取り組むことです。課題に直面した場合も、途中で投げ出さず、解決を目指して行動します。
ポテンシャルが高い人の特徴
ポテンシャルが高い人には以下のような特徴があります。
- 素直かつ謙虚である
- 自己分析ができている
- 好奇心旺盛でチャレンジ精神がある
- 責任感や向上心がある
上記の特徴を理解していれば、社員のポテンシャルを高める際や採用時に役立つでしょう。
素直かつ謙虚である
ポテンシャルが高い人は素直で謙虚な傾向があります。周りの意見に素直に耳を傾け、自分にとって耳が痛い指摘も真摯に受け止め、言い訳をしません。そのため、周りからのアドバイスを効果的に吸収し、速いスピードで成長していきます。
また、自分の能力を過信することなく、他人を尊重するため、周囲から信頼される存在となります。このような姿勢が良好な人間関係を築き、社交性も発揮されます。
自己分析ができている
ポテンシャルが高い人の特徴として、自己分析ができることが挙げられます。自分の強みや弱みを客観的に把握し、成長に必要な要素を理解しているため、効果的にスキルアップが可能です。
また、常に振り返りを怠らず、改善点を次の行動に反映する姿勢も持ち合わせています。継続的な自己分析と実践の積み重ねにより、職場では新たな挑戦の機会に恵まれやすくなります。
好奇心旺盛でチャレンジ精神がある
ポテンシャルが高い人は、自分の好奇心にしたがって行動し、失敗を怖れずにチャレンジできる強い精神力を持っています。ミスをしても、それを学びの機会と捉え、振り返りながら前に進みます。
また、好奇心旺盛であるがゆえに、周りで起こる様々な出来事にアンテナを張り、知識の吸収に積極的です。
さらに、ポテンシャルを構成する要素の1つである「実行力」に優れているため、仕事においても自ら計画を立て、自主的に取り組む力を持っています。
責任感や向上心がある
ポテンシャルが高い人の特徴として、強い責任感と向上心が挙げられます。
仕事に対して責任を持って取り組み、困難に直面しても、途中で投げ出すことはありません。問題が生じた場合にも、自ら考えて改善策を導き出すでしょう。
どんな局面でも諦めず、周りを引っ張っていくため、周囲からの信頼が厚い人材になります。同時に、向上心も高いため、自身のスキルアップを欠かしません。
こうした責任感と向上心が一体となって、生産性の高い仕事が可能となり、会社に貢献します。結果的に、本人は意図せずとも評価が高まり、出世する傾向があります。
ポテンシャルを高める方法
社員のポテンシャルを高めることは、企業の成長にもつながります。では、どのようにすればポテンシャルを高められるのでしょうか。ここでは、主な4つの方法をご紹介します。
- (1)積極的にチャレンジする
- (2)様々な人と交流する
- (3)目標を設定して行動する
- (4)主体的思考を身につける
1つずつ見ていきましょう。
(1)積極的にチャレンジする
ポテンシャルを高めるには、新しいことに積極的にチャレンジする姿勢が重要です。
特に、苦手なことや経験がない分野にチャレンジすることは、能力の底上げにつながります。勇気をもって挑戦することで、秘めた能力が開花するきっかけになる可能性があります。
失敗を恐れずに挑戦し、そこから得た学びを次のチャレンジに活かすことが大切です。大きなチャレンジがしにくい場合は、日常の仕事の中で少し難しいタスクに取り組むなど、身近なことから始めるのもよいでしょう。
(2)様々な人と交流する
様々な人と積極的に交流することも、ポテンシャルを高めるためには重要です。
普段はあまり話さない人や自分とは異なる考え方を持つ人と関わることで、新たな視点やアイデアを得られます。これにより、自分の視野が広がり、物事を多角的に捉える力が養われます。
特に、自分とは正反対の考え方を持つ人との交流は、自分の思考の枠を超え、新しい考え方や解決策につながる可能性があります。社内外のイベントや勉強会に参加するなど、意識的に新しい出会いの機会を作ることが大切です。
(3)目標を設定して行動する
ポテンシャルを高めるためには、具体的な目標を設定し、それに向けて計画的に行動することが重要です。
上司から指示された仕事を淡々とこなすだけでは、成長は見込めません。自ら目標を立て、計画に沿って動くことが、能力を高めるきっかけになります。
目標を設定する際は、方法や手段を具体的に考えることが重要です。具体的な目標であるほど、行動に移しやすくなります。また、ゴール設定を定量的にしておくと、進捗や成果の振り返りがしやすくなるでしょう。
(4)主体的思考を身につける
ポテンシャルを高めるためには、主体的思考を身につけることが重要です。主体的思考とは、問題や課題に直面した際に、自分に何ができるかを積極的に考え、行動する思考法です。
受け身な姿勢では、課題が生じた際に他人や環境に原因があると考え、自ら行動する意識が薄れがちです。結果として、成長の機会を逃してしまう可能性があります。
一方、主体的思考を持つことで、問題解決に向けて自ら考え、行動できます。主体的思考を習慣化することで、自ら成長の機会を見いだし、継続的に能力を高められるでしょう。
ポテンシャル採用とは
ポテンシャル採用は、近年注目を集めている採用方法です。ここでは、ポテンシャル採用の概要やメリット・デメリット、候補者のポテンシャルを見極めるポイントについて解説します。
ポテンシャル採用の概要
ポテンシャル採用は、応募者の過去の実績や経験よりも、その人物が秘めている可能性や将来性に重きを置いて採用する手法です。個人の資質や潜在能力、人間性などを重視し、数年後の活躍を見据えて人材を選考します。
従来の採用が応募者の「過去」を評価するのに対し、ポテンシャル採用は「未来」に焦点を当てています。主なターゲットは、新卒学生や第二新卒、20代から30代前半の若手人材などです。LINEヤフーやソフトバンク、富士通といった日本の大手企業でも、ポテンシャル採用が導入されています。
ポテンシャル採用のメリット・デメリット
ポテンシャル採用には、企業にとって様々な利点と課題があります。以下では、その主なメリットとデメリットについて解説します。
ポテンシャル採用のメリット
ポテンシャル採用の大きなメリットは、将来性豊かな若手人材を確保できることです。社員の若返りが進むだけでなく、意欲ある若い人材が増えることで、組織に新たな活力を与えるでしょう。
また、特定の経験やスキルにこだわらず選考するため、多様な背景を持つ若手人材の応募が期待できます。社員の多様性は新しいアイデアやイノベーションにつながる可能性を秘めています。
さらに、キャリア採用に比べ、前職の企業文化に過度に影響されていない人材が多く、自社の文化や価値観に柔軟に適応しやすい点もメリットの1つです。若手社員を早い段階から自社のビジョンや方針に沿って育成し、将来の中核を担う人材として効果的に養成できる可能性が高まります。
ポテンシャル採用のデメリット
一方で、ポテンシャル採用は即戦力となるキャリア採用と異なり、入社後に十分な育成期間が必要となる場合があります。そのため、教育体制の整備などが求められ、育成コストや時間が企業の負担となる可能性があります。
また、第二新卒や若手人材は、比較的短期間で転職を経験していることから、入社後も早期離職のリスクが高い点も課題となります。こうしたリスクを軽減するためには、入社後のフォロー体制やキャリアパスの明確化が重要です。
ポテンシャルを見極めるポイント
ポテンシャル採用では、経験やスキル以上に、将来成長する可能性や意欲を評価することが重要です。候補者のポテンシャルを見極める主なポイントは以下の通りです。
- 社会人の基本スキル
- コミュニケーション能力
- 学習意欲
- キャリアプランと目標設定
詳しく見ていきましょう。
社会人の基本スキル
まず、社会人としての基本的なスキルを備えているかどうかが重要です。言葉遣いや時間管理、PCスキル、身だしなみなど、どの業界や職種でも求められる基礎的な能力があるかを確認します。これらのスキルが欠けている場合、育成の労力が大きくなります。
コミュニケーション能力
優れたコミュニケーション能力は、チームの一員として効果的に働けるかどうかを判断するための重要な指標です。単に話すだけでなく、他者の意見を尊重し、適切なフィードバックができるかを見極める必要があります。
学習意欲
将来の成長を期待するうえで、学習意欲があるかどうかは極めて重要です。新しい知識やスキルを積極的に習得しようとする姿勢があるか、継続的に自己成長を目指しているかを確認しましょう。学習意欲が高い人は、変化や新しい挑戦にも柔軟に対応できます。
キャリアプランと目標設定
明確なキャリアプランや目標を持っているかどうかも重要なポイントです。自分の将来を具体的に考えている人は、長期的に成長し、組織に貢献できる可能性が高いでしょう。短期的な利益よりも長期的なキャリアを見据えて行動できるかを確認することで、離職リスクを軽減できます。
社員のポテンシャルを高めよう!
ポテンシャルとは、まだ発揮されていない潜在能力や成長する可能性を指します。
ポテンシャルが高い人材は、その能力が開花すれば、リーダーシップを発揮し、チームや組織を引っ張っていく存在となるでしょう。
しかし、ポテンシャルを引き出すには時間と工夫が必要です。日々の仕事に対する考え方や取り組み方を変え、成長するための具体的な行動を身につけることが重要となります。
社員のポテンシャルを高め、最大限に引き出したいとお考えの担当者の方は、ALL DIFFERENTの研修を活用し、効果的な育成方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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