社会人のコミュニケーションにおける「認識や理解のズレ」実態調査(予防・対策のヒント編)
「認識や理解のズレ」を感じる場面、第1位は「上司や部下とのやり取り」の結果に。生産性のカギは「伝える力」「受け取る力」のスキルアップにあり!
2023年4月12日
2023年2月1日~3月6日の期間で当社が提供する研修の受講者である614人のビジネスパーソンを対象に、コミュニケーションにおける「認識や理解のズレ」の実態調査を行いました。今回は「認識や理解のズレ」を予防・対策するためのヒントとなる調査結果を公表いたします。
背景
新型コロナウィルス感染拡大をきっかけに、テレワークや時差通勤による勤務形態の多様化、専門性を高めるジョブ型雇用の導入、打ち合わせや商談におけるオンライン会議ツールの導入、契約書や請求書などの紙媒体の電子化など、私たちの働き方や業務内容は大きく変わりました。特に、テレワークの普及により、通勤時間が短縮されワークライフバランスがとりやすくなったなどのメリットがある一方、コミュニケーションや部下育成に関する難易度の高まりといったデメリットを感じている方もいるでしょう。日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボの「働き方改革に関する動向・意識調査」*でも、テレワークの普及により、生産性が高まる人と低くなる人が二極化してきていることが指摘されています。
そこで、今回の調査ではコミュニケーションにおける社内の「認識や理解のズレ」に関する実態を明らかにするため、ビジネスパーソン614名にアンケート調査を行いました。調査結果が、組織づくりや新入社員・若手社員育成に悩む経営層、人事担当者、さらには現役の管理職の方や一般社員の方にとって、有益な情報になれば幸いです。
*参照:2021.12.13,日経クロステック「テレワークによる生産性向上は道半ば、「上がった」割合が示す残念な結果
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01856/120100005/
調査結果の概要
- ● コミュニケーションにおける「認識や理解のズレ」、発生頻度は月1、2回が最多で41.5%
- ● 約7割のビジネスパーソンが「上司または部下とのやり取り」の場面で認識や理解のズレを実感
- ● 認識や理解のズレにより、「再度同じ説明をする/求められることになり困った」と回答する人が半数以上
- ● 8割以上のビジネスパーソンが「認識や理解のズレ」を発生させないために「お互いの認識確認が重要」と回答。受け取る側に理解力を求める割合は3割と少ない結果に
- ● 情報を伝える側の工夫に「相手が理解しやすい言葉の使用や資料の作成」、情報を受け取る側の工夫に「再度自分の言葉で復唱」と、どちらも6割が回答。スキルアップへの取り組みは少ない結果に
- ● 伝える側・受け取る側の工夫は業界により違いあり。製造業では約8割が伝える際に「相手が理解しやすい言葉・資料を使用する」と回答し、他業種より10ポイント高い結果に。卸・小売業と情報通信業では、受け取る際に「自分の言葉で復唱する」と6割が回答
1. コミュニケーションにおける「認識や理解のズレ」、発生頻度は月1、2回が最多で41.5%
本調査では614名のビジネスパーソンに、コミュニケーションにおける「認識や理解のズレ」に関する実態調査を行いました。前回公表した調査結果*1では、88.1%のビジネスパーソンが日頃のコミュニケーションにおいて「認識や理解のズレ」が発生していると回答したことが明らかとなりましたが、いま、職場では一体どれくらいの頻度で発生しているのでしょうか。
発生頻度を質問したところ、「月に1,2回」と回答した割合が41.5%で最多、次いで「週1回程」と回答した割合が30.0%となりました。一方、「ほぼ毎日」と回答した割合も6%おり、「わからない」と回答した割合は7.2%となりました。割合としては少ないものの、発生頻度が高いことや、発生したことに気づけていないことは、社内のコミュニケーションについて見直すべき課題といえるでしょう。(図1)
*1 社会人のコミュニケーションにおける「認識や理解のズレ」実態調査(オンラインコミュニケーション編)
https://www.all-different.co.jp/topics/20230329/
2. 約7割のビジネスパーソンが「上司または部下とのやり取り」の場面で認識や理解のズレが発生していると回答
次にコミュニケーションにおける「認識や理解のズレ」がどのような場面で発生しているか質問しました。結果、69.5%が「上司または部下と日々の仕事のやり取りをしているとき」と回答しました。次に「会議などでお互いの情報共有や意見交換をしているとき」が48.2%となりました。
一方、「顧客からの要件、要望などをヒアリングしているとき」は26.2%、「契約書や注文書など、ビジネス文書の作成や取引先とのやり取りをしているとき」は10.1%となりました。(図2)
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