新入社員意識調査(2024年 業界別編・製造業)
製造業の新入社員、6年連続”安定志向” 7割以上が「今の会社で働き続けたい」と回答

2024年7月1日

調査・研究

2024年3月28日~4月30日、2024年入社の新入社員4,761人を対象に「新入社員意識調査」を行いました。本レポートでは、製造業の新入社員の仕事への向き合い方について、調査・分析した結果を公表いたします。

背景

製造業界は近年、新型コロナウイルスの感染拡大によるサプライチェーンの寸断や半導体の不足により、生産を縮小するなど大きな影響を受けました。さらに、少子高齢化が加速する日本では、人手不足や技術継承による問題、システムのレガシー化、DXの遅れが生じている実情もあります。かつて「ものづくり大国」と言われていた日本も、国際市場における競争力の低下が懸念されています。

このような変革期にある製造業へ入社をした、“アフターコロナ第1世代”の今年の新入社員は、どのような価値観やキャリア志向を持っているのでしょうか。本調査結果が、日本の製造業を復活させる未来の担い手である新入社員のこれからの育成へ、有益な情報となれば幸いです。

調査結果の概要

  • ● 仕事で成し遂げたいこと「安定した生活を送りたい」が69.5%で過去最高に

  • ● 「今の会社で働き続けたい」他業種より16.2ポイント高く、7割以上が回答

  • ● 将来のキャリア志向「専門性を極めたい」がトップ 4人に1人は「志向なく、楽しく仕事したい」

  • ● スキルアップのための取り組み「特に何もしていない」過去最高で4割超

  • ● 今後スキルアップのために取り組みたいこと、「仕事を通じたスキルアップ」が6割超

  • ● 成長のために必要なもの「成功体験」「事後フィードバック」が過去最高に

(概要)

1. 仕事で成し遂げたいこと「安定した生活を送りたい」が69.5%で過去最高に

はじめに、製造業の新入社員に、これからの仕事で何を成し遂げたいのか質問したところ、「安定した生活を送りたい」が1位で69.5%となり、製造業を除く全業種(以下、『他業種』と記載)と比較すると4.8ポイント高い結果となりました(図1)。製造業における「安定した生活を送りたい」の割合は、毎年6割超えで1位の回答項目であり、安定志向の高さが特徴としてあげられます。中でも今年は過去最高の割合となり、例年以上に「安定した生活を送りたい」と思う新入社員の割合が高まっていることがわかります(図2)。

(図1)
(図2)

2. 「今の会社で働き続けたい」他業種より16.2ポイント高く、7割以上が回答

安定志向の高い製造業の新入社員に、入社した企業で働き続けたいか質問したところ、「できれば今の会社で働き続けたい」が74.4%となり、他業種より16.2ポイント高い割合となりました。一方、「そのうち転職したい」は8.3%で、他業種より6.4ポイント低い結果となり、今の会社での勤続意向が高いことがわかりました。(図3)

(図3)

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