5W1Hとは?わかりやすい意味と例文、フレームワークの使い方



5W1Hとは、When・Where・Who・What・Why・Howという6つの疑問詞の頭文字をとった略語であり、ビジネスコミュニケーションの基本フレームワークです。6つの要素を意識することで、抜け漏れなく報連相や問題の原因分析を行えます。
本コラムでは、5W1Hの意味や使い方を表で整理しながら、例文とともにわかりやすく解説します。様々なビジネスシーンでの5W1Hの活用にお役立てください。
5W1Hとは?意味と目的を表で整理
5W1Hとは、When・Where・Who・What・Why・Howという6つの疑問詞です。各疑問詞の頭文字を見ると「W」で始まるものが5つ、「H」で始まるものが1つあるため、5W1H(ごだぶりゅー いち えいち)と呼ばれています。
各疑問詞の意味を下の表で確認しましょう。
【5W1Hの各疑問詞の意味】
疑問詞 | 主な意味 | ポイント |
---|---|---|
When | いつ |
「時」に関する要素 時期・日付・時間帯など |
Where | どこで |
「場所」に関する要素 会場・建物・部署・イベントなど |
Who | 誰が/誰に |
「人」に関する要素 担当者・責任者・顧客など |
What | 何を/何に/何が |
「物事」に関する要素 商品・サービス・業務内容・課題など |
Why | なぜ |
「理由・原因」に関する要素 ニーズの変化・システムの不具合など |
How | どのようにして |
「手段」に関する要素 業務フロー・使用ツール・分析手法など |
ビジネスで5W1Hを使う目的は、上司への報告や企画提案、トラブルの分析などで適切に情報を整理して進めること。特に、「勘」や感情的な反応で伝達・対処するのではなく、事実と課題を整理したうえで必要な施策を考えることにあります。
5W1Hにおける各疑問詞の内容例
5W1Hの6つの疑問詞について、具体的にどのような内容を表すのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
When:いつ(日時・期間・期限・時期など)
Whenは、日時や期間、期限、時期などを示す要素です。典型的には、日付や時刻がこれに当たります。
【Whenの意味と例】
疑問詞 | 意味 | 内容例 |
---|---|---|
When | いつ |
など |
これらの時間や時期、タイミングを適切に指定することで、聞き手は「いつやるべきか」「いつまでにやるべきか」を具体的に把握しやすくなります。自身がタスクを任される場合も、スケジュール調整に不可欠な要素です。
Where:どこで(場所・位置・空間的な条件)
Whereは、「場所」を意味する疑問詞です。特定の地名やエリア、その他の空間的な条件を示す表現が、これに当たります。
【Whereの意味と例】
疑問詞 | 意味 | 内容例 |
---|---|---|
Where | どこで |
など |
基本的には物理的な空間をWhereとして伝える場合が多く見られますが、展示会の出展計画なら「明るくて立ち寄りやすい雰囲気の場所」、デジタルツールであれば「TeamsのスレッドB」などもWhereに該当するケースがあります。
「どこに行けばいいのか」「どこに保存すればいいのか」などを具体的な名称や条件で伝えることで、伝えられた相手は場所を考慮した判断をしたり、具体的なイメージをもって検討したりすることができるようになります。
Who:誰が/誰に(個人名・役職名・部署名・会社名など)
Whoは、個人の名前や役職名、部署や会社の名前などを指定する要素です。最もシンプルな例は「私が」であり、自分のタスクやスケジュール管理を行う際の基本要素となります。
【Whoの意味と例】
疑問詞 | 意味 | 内容例 |
---|---|---|
Who | 誰が/誰に |
など |
ほかにも、マーケティングであれば、ターゲットのペルソナ設定に欠かせない要素です。「多忙な中でもワーク・ライフ・バランスの充実を図りたい、年収390万円の30代男性」といった細かい条件を伴うWhoが必要になるでしょう。社内の業務においても「誰が/どこの部署が」などを指定すれば、責任をもって進めるべき主体が明確化されます。
What:何を/何に/何が(対象となる物事・考え方・概念など)
Whatは、大まかにいえば「検討や施策の対象となる物事」を指します。基本的には「○○をする」の「○○」に当たる部分と考えてよいでしょう。「○○という問題が起きた」のような場合も、Whatに該当します。
【Whatの意味と例】
疑問詞 | 意味 | 内容例 |
---|---|---|
What | 何を/何に/何が |
など |
Whatには、商品や設備などの具体的な物を入れることもできますし、「社長のメッセージ」のような言葉や思想を入れることもできます。「価値」のような抽象的な概念を入れる場合もあるでしょう。
Whatが何を示しているのかを適切に伝えるには、相手にとってわかりやすい表現を選択することがポイントです。
Why:なぜ(理由・原因・根拠など)
Whyは、理由や原因を示します。単純に物事の原因や根拠を示す場合もあれば、「○○を達成するため」のように目的・目標を示す場合もあります。
【Whyの意味と例】
疑問詞 | 意味 | 内容例 |
---|---|---|
Why | なぜ |
など |
具体的な業務や目標達成において効果を上げるには、テーマや課題について1度だけWhyを問うのではなく、“WhyのWhy”といった形での深掘りが重要です。つまり、Whyに「設備Aが故障したので」とある場合は、「なぜ設備Aが故障したのか」を問わなければなりません。
こうした複数回のWhyによる深掘りで問題の本質を明らかにし、対症療法ではない解決策につなげましょう。
How:どのように(手段・使用ツールなど)
Howは、目的達成のための手段や使用ツールなどを表す要素です。わかりやすい例は、製造方法や課題の分析方法などでしょう。
【Howの意味と例】
疑問詞 | 意味 | 内容例 |
---|---|---|
How | どのように |
など |
例えば、営業においてWhoに交渉が難しい相手が設定されている場合、Howにあたるアプローチの方法が成否を分ける可能性が高いでしょう。部下に新しい業務を任せるケースでは、Howを丁寧に指導することで、その後の手戻りを減らすことができます。
Howに関して複数のアイデアがある場合は、コストや結果への影響力を比較しながら会社全体の方針・目的に合ったものを選びましょう。
5W1Hのビジネスにおける使い方
5W1Hの使い方を学ぶには、多様なビジネスシーンを想定して具体例とともに理解すると実践につなげやすくなります。今回ご紹介する場面について、「自身の業務であれば、どう表現するか」を考えてみるとよいでしょう。
報連相における5W1Hの例文
円滑なコミュニケーションには、5W1Hを意識した伝え方が大いに役立ちます。
例えば、営業職が新規契約の獲得状況を上司に報告する場面を考えてみましょう。
【営業に関する報告の具体例】
When | 今日は |
---|---|
Where | 商談先であるA社で |
Who | 自分自身が |
What | 商談のプレゼンを行った |
Why | 新規契約を獲得するため |
How | 市場調査の結果とクライアントのニーズの分析結果を示し、合致する点を強調して自社の強みをアピールすることで |
【例文】
今日、私は商談先のA社で、新規契約の獲得に向けて商談のプレゼンを行いました。市場調査の結果とクライアントのニーズ分析の結果を示し、合致する点を強調して、当社の強みをアピールしました。
報告がやや長くなる場合は、When・Where・Who・What(いつどこで、誰が何をした)をまず伝え、その後にWhyやHowを伝えるという順番にする方法がおすすめです。相手にとって情報把握がスムーズになるとともに、「具体的に、合致していた点とは?」「アピールした自社の強みの内容は?」といった質問をしやすくなります。
マーケティング戦略・プレゼンにおける5W1Hの例文
5W1Hは、マーケティング戦略の立案やプレゼンにも役立ちます。目的やペルソナ、手法などを漏らさず確認できるため、より明確な戦略について検討できるでしょう。
具体例として、ソフトウェア販売におけるWebマーケティング戦略での5W1Hを見てみましょう。
【マーケティング戦略の具体例】
When |
|
---|---|
Where |
|
Who |
|
What |
|
Why |
|
How |
|
【プレゼンなどの例文】
クラウドベースのプロジェクト管理ソフトウェアの販売数を増やすため、一連のプロモーションを行います。実施時期は、ターゲット企業が次年度の戦略策定に向けた現状の見直しを行う時期から予算編成時期です。ターゲットとなる中小企業は、実際に効率的なプロジェクト管理のためにクラウド管理ツールに興味を持ち始めているため、この好機を成果に結びつけたいと考えています。
プロモーションは、当社の企業サイトやランディングページ、B2B向け製品を掲載できるメディア、ソーシャルメディアプラットフォームなどでの展開を想定しています。当社のサイトでは、ブログ記事やホワイトペーパーなどを提供し、ターゲットの層の関心をより引きつける施策を行います。
戦略に関する5W1Hは、文章で表現すると長くなります。そのため、まずは目的と何をするかなどの概要を明示し、その後、他の要素を聞き手が理解しやすい順番で伝えるとよいでしょう。
企画書や提案書における5W1Hの例
企画書や提案書は、いかに読み手の納得感を高めて意思決定を促すかがポイントです。抽象的なイメージに終始しないよう、5W1Hを使って具体的に表現しましょう。
例えば、子ども向けイベントの企画書を作成する際は、次のような具体化が可能です。
【イベントの具体例】
When |
|
---|---|
Where |
|
Who |
|
What |
|
Why |
|
How |
|
イベントでは、自社で行う目的の提示だけでなく、ターゲットに合わせた要素や表現の調整が必要です。ポスターなどでわかりやすく伝えるには、短い表現で大きくWhatを伝え、次にWhenとWhereを示すとよいでしょう。有名企業の場合は、主催者としてWhoをアピールする方法も有効です。
Howについては、ターゲットの興味関心も考慮すると、イベントをより楽しんでもらえます。費用や確保できる人員の影響などでHowの内容を制限せざるを得ないケースもあるかもしれません。それでも、Whyを明確化することで、制限の緩和や手法のバリエーションを検討する余地が生まれ、柔軟性のあるアイデアにつなげられます。
5W1Hを使う原因分析・問題解決のやり方
5W1Hは、既に生じてしまった問題やトラブルの原因分析にも重要な視点です。
トラブルが発生すると、「誰の責任なのか」という犯人探しや「これは大変な事態になった」という感情面の混乱が発生しやすいものです。しかし、これらを続けても、根本的な解決にはつながりません。問題の原因を分析し、その具体的な原因に対する建設的な解決策が必要です。
そこで、以下のような5W1Hの視点を分析プロセスに組み込みましょう。
【原因分析・問題解決の5W1H】
- どのような場所・状況で、どういった問題が発生したのか(When・Where・What)
- その問題発生の背景には誰が関わっていたのか(Who)
- なぜその問題が発生したのか(Why)
- どのようなプロセスや仕組みによって発生したのか(How)
疑問詞ごとに具体例をあげると、下の表のようになります。なお、問題分析では「人」ではなく「問題」にフォーカスするほうが建設的なアイデアを出しやすくなります。そのため、下表ではWhoより先にWhatを見ています。
【5W1Hを用いた問題分析の例】
疑問詞 | 着眼点 | 問題の例 |
---|---|---|
What | どのような問題が発生したのか? |
|
When | その問題は、いつ発生したのか? |
|
Where | その問題は、どこで発生したのか? |
|
Who | その問題には、誰が関わっていたのか? |
|
Why | 問題の原因と考えられることは何か? |
|
How | どのようなプロセスで問題が発生したのか? |
|
例えば「中堅社員のDXが進まない」という問題があり、そのWhyが「どうやってITスキルを学べばいいかわからない」であるとしましょう。これに対する解決策では、会社からの学習リソースやノウハウの提供や、中堅社員の多忙さに合う学習方法の提示、就業時間の一部を学習時間として確保できる仕組みの導入などが考えられます。
What・When・Where・Whoは、比較的内容を明確にしやすい要素。一方で、WhyやHowは1度だけの検討では本質的な部分にたどり着きにくい要素でしょう。他の要素と照らし合わせながら、様々な観点で何度も分析・検討することがポイントです。
5W1Hを使うときの注意点とよくある課題への対策
5W1Hは、ビジネスコミュニケーションにおいて汎用性の高いフレームワークです。しかし、使いすぎると「要素が多い」として理解しにくい報告になったり、そもそも一朝一夕には使いこなせなかったりするという課題があります。
よくある課題への対策をあらかじめ確認することで、5W1Hの効率的な練習につなげましょう。
5W1Hを意識しすぎて「伝わりにくい」ケース
5W1Hは情報を正確に伝えるための有用な手段ですが、使いすぎると逆に伝わりにくくなる場合があります。
例えば、Who・What・Howといった2W1Hの3つの要素で済む報告であるにもかかわらず、WhenやWhereなども加えて報告してしまうと、各要素の重要度が不明瞭になってしまうでしょう。その結果、「最も重要なWhoやWhatが頭に残らない」という事態が発生する恐れがあります。
より具体的に見ると、次のようなケースです。
【5W1Hを意識して伝わりにくい例】
5W1Hの全要素があるケース | 「明日、私は、製品Aの販売数を伸ばすため、東京のイベント会場Bまで路線バスで向かい、ブースナンバー089で製品Aの販売を行う予定です」 |
---|---|
5W1Hの一部のみのケース | 「明日、東京のイベント会場Bで自社製品Aを販売する予定です」 |
上の表では、5W1Hの一部のみを伝えるケースのほうが、聞き手は予定を把握しやすくなります。
もちろん、移動手段を聞かれている場合、Howを省くことはできません。会場へ誰が行くのかが重要な文脈では、必ずWhoを伝える必要もあります。
5W1Hを適切に使うには、まず相手が求めている情報が何かを把握し、どの要素を優先すべきかを判断することが重要なのです。
いきなり実践しようとして混乱するケース
5W1Hの要素自体はシンプルですが、それを実践できるようになるには時間をかけて練習しなければなりません。
5W1Hを知った翌日から「いつ・どこで・誰が……」と使うこと自体は可能です。ただ、そのように発話・表現できることと、本当に聞き手が理解しやすい伝え方になっているかどうかは別問題。各要素の重要度は文脈によって異なりますし、WhyやHowで何を伝えるかも、重視すべき観点によって異なるからです。
ビジネスで5W1Hを使いこなすには、とにかく日々の報連相やフィードバック、提案などで意識しながら練習することが大切です。相手から「わかりにくい」と言われたら、どういった点がわかりにくかったのかを確認し、改善につなげましょう。
練習の初期段階では、いきなり口頭で使うのではなく、事前に各要素をメモに書き出しておく方法がおすすめです。その中で、相手がどの情報を求めているのかを考慮して、順番を検討してください。
情報を伝える順番は、次のような基準で判断することができます。
【5W1Hの順番の決め方】
相手が求める情報 | 5W1Hの順番 |
---|---|
目的・経緯 | WhyやHowから伝える |
担当者・責任者・対象者 | Whoから伝える |
業務内容・施策内容 | Whatから伝える |
原因と対策 | WhatとWhyから伝える |
「○○の件ですが……」と前置きしたあとで、5W1Hの中で優先すべき項目を先に伝えるようにすると、簡潔でわかりやすい報告・プレゼンになります。5W1Hを使って伝えているのに「わかりにくい」と言われる場合は、相手の立場から情報の重要度を分析し、順番を入れ替えて伝え直してみましょう。
5W1Hの派生形
5W1Hには、様々な派生形があります。いずれも5W1Hに要素を加えたり、反対に省いたりしているものです。
5W1Hに慣れてきたら、ぜひ派生形も使ってみてください。
5W2H・5W3H
5W2Hや5W3Hは、基本となる5W1Hに加えて「How much:いくら(費用)」や「How many:どのくらい(規模)」が含まれるフレームワークです。
基本の5W1Hでは、Howが1つしかなく、「手段」を伝えるとコストや規模を伝え忘れてしまう恐れがあります。そのため、これらを明示した形として5W2Hや5W3Hがあります。
【5W2H/5W3Hの要素】
疑問詞 | 5W2H | 5W3H |
---|---|---|
5W1H(基本要素) | ○ | ○ |
How much(いくらで) | ○ | ○ |
How many(どの規模で) | — | ○ |
具体的な活用場面は、売り上げ・利益・販売価格などの金額が重要なケースでしょう。キャンペーン企画を行う際に5W3Hを用いれば、人数や配布するノベルティ数などの情報も含められます。
5W1H1R
5W1H1Rは、5W1Hに「Result:どうなった」を追加したフレームワークです。実施内容である5W1Hに結果を伝える要素がプラスされている点に特徴があります。
【5W1H1Rの要素】
5W1H(基本要素)+ Result(結果)
5W1H1Rは、例えば商談や課題解決など、結果が重要なケースで役立ちます。キャンペーンや人材育成施策といった具体的な取り組みのあとに、「どのくらいの成果があったか」を検証する場合にも有効です。
6W1H
6W1Hは、5W1Hに「Whom:誰に/誰を」を追加したものです。
5W1Hの「Who」では「誰が」という主体を示すケースが多く、必ずしも「誰に/誰を」を入れる必要はありません。しかし、業務内容によっては、「誰が」やるのかと「誰に」やるのかという視点が欠かせない場合があります。
そこで、6W1Hとして明確に「誰が」「誰に」実施するのかを区別する形となりました。
【6W1Hの要素】
5W1H(基本要素)+ Whom(誰に)
具体的な活用場面としては、重要な顧客やターゲットの指定、育成対象者と指導者の指定、書類の提出先の指定などがあります。人と人、会社と会社の関係性、手続きの明確化などに活用できます。
7W1H・7W2H・7W3H
7W1H は、5W1Hに「Whom:誰に」「Which:どれが/どれを」を追加したものです。*1
あるいは、「Whom:誰に」「With Whom:誰と」を追加したものとする考え方もあります。*2
7W1Hは、特に人物に焦点を当てた形となっており、主体以外の関係者をより明確に示すことができます。
7W1Hにはさらに派生形があり、「How much:いくら」を足した7W2Hや、「How many:どのくらい(規模)」も追加した7W3Hもあります。
【7W1H/7W2H/7W3Hの要素】
疑問詞 | 7W1H *1 | 7W1H *2 | 7W2H | 7W3H |
---|---|---|---|---|
5W1H(基本要素) | ○ | ○ | ○ | ○ |
Whom(誰に) | ○ | ○ | ○ | ○ |
Which(どれが/どれを) | ○ | — | ○ | ○ |
With Whom(誰と) | — | ○ | ○ | ○ |
How much(いくらで) | — | — | ○ | ○ |
How many(どの規模で) | — | — | — | ○ |
7W2Hや7W3Hの使い方は、5W2Hや5W3Hの場合と基本的には同じと考えてよいでしょう。異なるのは、7W2Hや7W3Hのほうが関係者にフォーカスしたい場合に便利である点です。
なお、中学英語の7W1Hでは、「5W1H」に追加される「2W」がWhichとWhose(誰の/何の)となっています。ビジネスコミュニケーションにおいても、「2W」に何を入れるかには複数のバリエーションがあります。
そのため、自社にとって重要な情報は何かを考慮しながら、自社バージョンの「7W」を決めてもよいかもしれません。
2W1H
ここまでは、5W1Hに追加要素を入れた派生形をご紹介してきました。こうした情報量が増える派生形がある一方で、2W1Hという簡素な派生形もあります。
2W1Hは、「Who:誰が」「What:何を」「How:どのように」という要素に絞り込んだシンプルなフレームワークです。あえて情報を絞り込むことで、受け手が必要な情報を素早く把握できるという利点があります。
【2W1Hの要素】
Who(誰が)+ What(何を)+ How(どのように)
5W1Hを使って「わかりにくい」と言われた場合、あえて2W1Hを使うことで相手の理解を促すことができるでしょう。キャッチコピーや企画書・報告書の見出しを作成する場合や、既に共有している事項を省いてスピード重視の情報共有をする場合にも役立ちます。
また、5W1Hに取り組む前段階として、2W1Hでの伝達を実践するという方法も効果的です。
5W1Hの順番を工夫して重要な情報を伝えよう
5W1Hは、報告や戦略、問題解決に必要な視点を抜け漏れなくおさえたいときに便利なフレームワークです。順番に迷う場合は、「いつ・どこで・誰が・何をするのか」を伝えてから理由と方法を伝えるとよいでしょう。
ただ、状況によっては「誰がやるか」「どうやってやるか」がより重要な場面もあります。相手が求めている情報は何かを考慮しながら、伝える順番を工夫してみましょう。
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