5W2Hとは|ビジネスを円滑にするためのフレームワーク

published公開日:2023.06.09
5W2Hとは|ビジネスを円滑にするためのフレームワーク
目次

本コラムでは、5W2Hが持つそれぞれの意味や、実際の使用例について紹介しています。 ビジネスを円滑に進めるために注目されるフレームワークが「5W2H」です。5W2Hに沿ってロジカルに業務指示や報告書を作成することで、ポイントを絞って重要な点を相手に伝えられます。情報伝達やコミュニケーションでは、5W2Hを意識してみましょう。

5W2Hとは

5W2Hは情報伝達やコミュニケーションを円滑に行い、ビジネスを効率化するためのフレームワークです。
学生時代に英語の授業で使った5W1Hにもうひとつ加えた、以下7つの要素で表されます。

  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • Who(誰が・誰に)
  • What(何を)
  • Why(なぜ)
  • How(どのように)
  • How much(いくら)

上記7つの要素を明確にすることで、伝えたい情報や企画の趣旨・目的を正確に伝えられます。ビジネスにおけるコミュニケーションだけでなく、企画書の作成やプレゼンテーション、マーケティング戦略などにも活用できるのが特徴です。

汎用性が高く、新しいアイデアを生み出すうえでも役立ちます。ビジネスを円滑に進めるためにもぜひ覚えておきましょう。

5W2Hのそれぞれの意味

When(いつ)

When(いつ)は「時間・時期・期間・期限・タイミング」などを表しています。どんな仕事にも必ず期限があるので、
部下に指示を出す際などはもちろん、経営戦略を立てる際にも重要な要素です。

部下に何かを伝える際にはWhenを入れることで、情報を共有しやすくなります。
しかし、Whenの伝え方にはいくつかパターンがあるので注意が必要です。

  • 次回のミーティングまで用意すること
  • 企画書は月末までに提出するように
  • 明日、◯月◯日◯時からミーティングを行う

Whenを用いる際には、できるだけ具体的な数字を盛り込むのがよいでしょう。

上記では一番下の例が最もWhenの具体性が高くなっています。
このように、ただWhenを入れるのではなく、明確な「いつ」を設定するようにしましょう。

Where(どこで)

Where(どこで)は英単語が意味するままの「場所」を表しています。
ビジネスにおいて、どこで仕事を行うのかも重要です。

Whereの伝え方には「会議室で・展示場で・取引先で」や「打合せに適した空間」などの伝え方があります。
仕事をどこで行うのかを相手に伝えることは、仕事の具体性を増すポイントです。

例えば、待ち合わせの場所を指示すれば、部下は現地に到着するまでの移動時間も考慮してスケジュールを立てられるでしょう。また、イベント会場など仕事を行う場所が分かっていれば、場所のイメージに合わせてアイデアも出しやすくなります。

円滑にビジネスを進めるためには、場所を盛り込んで具体的にイメージさせることが必要です。

Who(誰が・誰に)

Who(誰が・誰に)は、人物や関係だけでなく「体制・役割」まで含んでいます。ビジネスを円滑に進めるには担当者や責任者、プロジェクトメンバーを明確に設定しなければなりません。

特にWhoは物事の主体となるため、明確にWhoを盛り込まなければ相手に正確な情報が伝わらない可能性もあります。

ビジネス以外の場でも「誰が行うのか」「誰と行うのか」を明らかにするのは重要です。具体的にWhoを伝えなかったことで「誰かがやるだろう」と思い、実際には誰も行っていないケースも起こり得ます。

「誰かがやるだろう」という曖昧な思考を防止するためにも、Whoを明確にして伝えてください。

What(何を)

What(何を)は仕事内容や依頼内容など、「何を」するのかを表しています。

ただし、Whatには物理的なもの以外に消費者が求めるニーズ、企業の理念など概念的なものも存在しています。そのため、Whatに対する理解が自分と相手とで異なっているケースも。そうなると、正確な情報伝達が行えません。受け手の立場を想像して誰でも簡単に理解できる表現を選ぶようにしましょう。

こちらが受け手の場合は、自分がどのように解釈したかを伝えて、齟齬が無いようにするとよいでしょう。

Why(なぜ)

Whyではなぜその仕事内容なのか、なぜそのような依頼内容なのかなどの理由を表します。
さらに、理由だけでなく原因や要因、目的といった意味も含みます。

部下への指示や経営戦略の策定は、目的によって行うべき内容が異なります。
例えば、部下と面談を行う際に、「現状のスキルを把握して能力を伸ばすため」などの理由が伝わっていなければ、面談をする意味が薄れる可能性もあるでしょう。

また、Whyを伝えなかったことで、上司が想定していた行動とは異なる行動を部下が取ってしまうかもしれません。
企業の目標を達成するためには、「なぜそれを行うのか」を共有することが重要です。

How(どのように)

How(どのように)は、仕事を行うための「方法や手段」を伝える際に必要な要素です。Howを決める際には、どのようにして取り組むのか具体的な方法や手段を考えなければなりません。特に部下に指示を出す際にはHowをしっかり伝えて、ミスの防止を心がけましょう。

また、どんな素晴らしい方法や手段であっても、かかるコストや時間によっては実現できない可能性もあります。ほかの5W1H要素との兼ね合いも考慮して、柔軟にHowを決定しましょう。また、定期的にHowを見直して、より良い方法がないか見直すことも大切です。

How much(いくら)

How much(いくら)はコストや売上、損失など「費用」に関する要素です。あらかじめ設定した目標を達成するために費用いくらがかかるのか、商品・サービスをいくらの価格で提供するのかなどを決定します。

企業がビジネスを行うに当たってHow muchは重要な要素です。How(どのように)の内容はHow much次第と言っても過言ではありません。なぜなら、どんなに素晴らしい方法・手段であっても、費用対効果が見合わなければ赤字になってしまうためです。

5W2Hのメリット・デメリット

5W2Hのメリット

5W2Hを活用するメリットは、情報伝達やコミュニケーションに必要なポイントをしっかり押さえられる点です。5W2Hの型に当てはめて業務指示や報告書を作成することで、情報の過不足が発生する心配がありません。会議の議事録を作成する際などにも役立ちます。

また、自分と相手とで認識のズレが無いように、正確な情報を伝えたい場合にも有効です。
必要な情報に絞って簡潔に伝えられるため認識のズレが発生しにくく、無駄な時間や労力を費やさずに済みます。

5W2Hのデメリット

5W2Hは簡潔に情報を伝えるうえで便利なフレームワークですが、使い方を間違えると逆効果になるので注意が必要です。

基本的な活用法では型にそのまま当てはめて、必要な情報を整理します。しかし、状況や相手によっては、情報量が多くなる可能性があります。そんな時は、相手にとって不要と思われる情報は削除するようにしましょう。

目的が情報の伝達ではなく、日常会話のようなコミュニケーションの時は、5W2Hに沿った会話をすると、細かく説明しすぎて冗長な表現になる可能性があります。

5W2Hがなぜビジネスパーソンに必要か

5W2Hはロジカルに物事を伝えるためのフレームワークです。普段から5W2Hを意識して仕事に取り組むことで、より具体的な内容を相手に伝えられます。

ビジネスパーソンがコミュニケーションを取るうえで、報連相は欠かせません。
報連相では忙しい相手にもきちんと伝わるように、具体的かつ簡潔に内容を考える必要があります。

もし、伝えた内容を相手が間違って解釈すれば、大きなミスにつながる可能性もあるでしょう。このようなミスを防ぎ円滑にビジネスを進めるためにも、ロジカルなフレームワークである5W2Hが必要です。

また、論理的に物事を伝えられるため、報連相の他にも、プレゼンや企画資料の作成、将来的な目標設定などにも幅広く活用できます。

5W2Hの使用例

5W2Hは一般的に以下のようなシーンで活用されています。

  • 報告
  • プレゼンテーション
  • 企画書
  • マーケティング
  • 事業計画

報告書や企画書を作成する際には5W2Hの使用を部下に促してみましょう。簡潔にまとめられたクオリティの高い書類を提出してもらえるようになるはずです。型に当てはめた文書作成では曖昧な表現が削除されており、部下の意図を的確に読み取ることが可能です。

報告書や企画書の作成を指示する際には、いつまでに必要で何のために使うのかなどの情報を5W2H通りに伝えることも忘れてはいけません。情報伝達を怠らないことで、部下からの聞き返しも防げます。

プレゼンテーションに活用する際には、Why(なぜ)とHow(どのように)に注目してください。なぜこの企画を提案しているのか、具体的にどのような筋道を立てて進めるのかなどを説明することで、説得力の高いプレゼンテーションが可能です。

事業計画にはターゲットやサービス内容、販売方法など、さまざまな項目設定が必要になります。
さらに、5W2HのHow muchにはマーケティングの要素である4Pも含まれており、効率良く事業計画や経営戦略を立てる助けとなってくれるでしょう。

5W2Hのスキルを身につけてビジネスを円滑に‍

5W2Hは報告書や企画書の作成などに役立つ、ビジネスを円滑にするためのフレームワークです。
ロジカルな考え方に基づいて書類作成やコミュニケーションを行うので、誰にでも分かりやすく情報を伝えられます。

ただし、すべてを型に当てはめてしまえばよいというわけではありません。
状況や相手に応じて、伝えるべき情報を柔軟に変える必要があります。

つまり、5W2Hを上手く使いこなすには、ロジカルシンキングを鍛えることも重要。ロジカルシンキングを身につけたい方は、以下のコラムも参考にしてみてください。
ロジカルシンキング(論理的思考力)の鍛え方とは ?メリットやフレームワークについての詳細はこちら

ロジカルシンキング以前に、まずはビジネスパーソンとしての基礎固めを、と考えている場合は、下記研修がおすすめです。
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