新人教育のポイントを大公開!新人に最適な教育手法とは
新人教育の秘訣は教育担当者の育成にあり
どんな人物なのかまだよくわからない新人をうまく導くには、まず教育担当者自身がきちんと育成されている必要があります。ここでは、そのために注意すべきポイントと、教育担当者として身につけておきたいスキルや心構えについて解説します。
新人教育の落とし穴(カリキュラムばかりに目が行き、教育担当者まで目が行き届かない)
新人教育を充実させるためにカリキュラムを磨くのは、非常に大切なことです。ただ、同じくらい大切なのは、実際に携わる教育担当者がそれをうまく伝えられるかどうかです。
しかし往々にしてカリキュラムの内容を伝えることばかりに注力し、教育としての育成がおろそかになることが多々起こります。こんな落とし穴にはまってしまうと、カリキュラムそのものも充分な成果を出すことができません。
教育担当者は組織と新人をつなぐ重要なパイプ役として、カリキュラムをしっかり理解し、新人にわかりやすく伝えることが使命です。新人教育にあたってもらう前に、カリキュラムを含めた教育内容を的確に伝え、きちんと育成しておく必要があります。
教育担当者が身につけるべきスキル・心構え
新人を教育する方法はいくつもありますが、その中でも共通して教育担当者が身につけておきたいスキルがあります。
必要なスキル
- 一方的ではなく、新人の理解度や反応を見ながら進め方を変える「観察眼」と「柔軟性」
- 専門用語をわかりやすく言い換える「語彙力」
- 新人に聞き取りやすい声質や声量を維持する「スピーチ力」
これらはいずれも「伝える」ために必須のスキルといえますが、一方、伝える際の意識という面では次のような心構えも必要です。
必要な心構え
- 新人に「理解してもらうことが使命である」と肝に銘じる
- 理解できない段階であれば、前の段階へ戻り、最後は「ゼロから教える」こともある
- 新人を信頼し、こちらも信頼されるよう努める
これらの能力の有無は教育効果を大きく左右します。事前にロールプレイなどを行って、効果を生み出せるどうかをきちんと確認しておきましょう。
各教育手法のメリット/デメリット
新人教育にはいくつもの手法がありますが、ここではそのうち代表的な3つの方法と、そのメリット・デメリットを解説します。
(1) OJTは実用的な訓練
OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)とは、新人に毎日の通常業務につきながら仕事を学んでもらう方法です。まさに現場で行われる教育手法で、実用的なことをリアルタイムで学べることが一番のメリットです。
一方で、現場では常に忙しく行動することになるため、触れる機会のない会社の全体像や理念、組織としての考え方などが教えづらいことはデメリットといえるでしょう。
OJTやOJT研修について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事をお読みください。
OJT研修とは?意味・目的と効果的に進める方法を紹介
(2) Off-JTで系統立てた知識と経験を教える
Off-JT(オフ・ザ・ジョブ・トレーニング)は現場以外で行う教育方法です。特別に場所と時間を用意することで、OJTでは教えることが難しいビジネスの基本や会社の概要、業界独自の理論や専門用語などを教えられるメリットがあります。
こちらはロールプレイなどで擬似的な仕事は体験できますが、実際の現場とは感覚が違うため、実用的な学びは得られにくいことはデメリットといえます。
(3) マニュアルは自学にも使える
マニュアルは一般に、業務に必要な事柄や手順が系統立てて記載されているものです。新人教育について「いつでも知りたいことが学べる」というメリットがあり、例えば業務終了後に学んだ対処方法や知識と照らし合わせたり、これから学ぶ内容を予習したりと、学んだことを記憶だけに頼らず確かめられるので非常に効果的です。
ただ、マニュアルは一部の事例のみが示されていることが多いので、実用には工夫が必要です。マニュアルに頼りすぎると臨機応変に対応しづらくなるのはデメリットといえるかもしれません。
教育手法の使い分け(一つのやり方に固執せず、教える内容によって使い分ける)
OJTとOff-JTは互いに補完関係にあり、それぞれ違う教育内容を持ち、仕事の各段階や場面で効果を発揮します。またOJTで起こったことをOff-JTで振り返るといった使い方をすれば、より実用的な、記憶に残る学びも得られるでしょう。
新人教育に適した手法については、一つの方法にこだわらず、教える内容によってうまく使い分けるようにしましょう。
新人教育で注意すべきポイント
他にも新人教育では注意すべきポイントがあります。
例えば受験や資格取得などは、ゴールがはっきりしているからこそ学ぶ意欲が湧くものです。新人教育では「がんばれ」などの曖昧な励ましではなく、「〇〇日までに△△ができるようになろう」といった、より伝わりやすいゴールを示しましょう。時間や量、長さなど具体的な数値で目標を示すと認識がずれにくく効果的です。
また、新人と教育担当者の間は、時折「近すぎる」関係になる場合があります。一方あまりに厳しすぎて「遠すぎる」と、教育内容より教育担当者の言動ばかりに注意が向いてしまい、教育効果が薄れてしまう可能性があります。
理想的なのはそれらの中間あたりで、プライベートなことを話すこともできるが、尊敬のこもった言葉や態度が保てる程度の関係といえるでしょう。適切な距離感を意識することが大切です。
新入社員との接し方を詳しく知りたい方は以下の記事をお読みください。
新入社員育成のコツとは?新人育成に欠かせない心構えと、具体的な育成方法
適切な方法と手順で効果的な新人教育を
新人教育で最も不幸なのは、教育担当者が未熟で新人が学びたくても学べないことです。その問題を解決するのは、やはり教育担当者としての経験のある上司や先輩でしょう。
新人教育において新人と組織のどちらの期待にも応えるためには、教育担当者として必要なスキルと心構えを身につけることが大切です。教育手法は複数ありますが、それぞれのメリットとデメリットを正しく理解して使い分け、理解度に合わせて手順を変えるなどして、効果的な新人教育を目指しましょう。
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