ヒューマンエラー防止|「ミスをしない仕組み」をつくることが大切
ヒューマンエラーとは
ヒューマンエラーとは「うっかりミス」「やり忘れ」「入力間違い」など、人間の行動により起こるミスのことを言います。
例えば「メールの宛先誤送信」「タスクの抜け漏れ」「請求金額の桁数間違い」などがヒューマンエラーに該当しますが、
どんなに仕事ができる人でもこのようなミスはつい起こしてしまうものです。
自社の顧客情報を誤ってWebサイトに掲載してしまったことで個人情報が流出し、多額の損害賠償金の支払いが必要になるケースもあります。 このような問題を起こさないためには、組織としてヒューマンエラーを防ぐ取り組みが必要不可欠だと言えます。
ヒューマンエラー防止の第一歩|環境や仕組みに問題はないかを見直す
ヒューマンエラー防止のために一所懸命取り組んでいるのに、ミスが一向に減らない組織があります。
なぜミスが減らないか、わかりますか?
それはヒューマンエラーの原因を「人のせい」にしているからです。
ヒューマンエラーはもちろん人が原因で起きるミスのことですが、ヒューマンエラー発生時に「誰がミスをした?」と犯人捜しをしたり、「●●さんはよくミスをしすぎだ。二度とするな!」と叱責しているだけではヒューマンエラーを少なくすることはできません。
もちろん改善のためには、誰がなぜ問題を起こしたのかという原因調査は必要ですが、その原因調査は「人の欠点を探すために行う」のではなく、あくまでも「組織として改善するために行う」ということがポイントです。
ヒューマンエラーが発生した際に、人はミスを犯すものであるという前提を大切にし、環境や仕組みに問題があるのではないかと考えることが、ヒューマンエラー防止の第一歩になるのです。
ヒューマンエラー防止の近道|日々のヒヤリハットを活かす
あなたは「カレンダーに商談予定を入れ忘れていたが、直前に思い出した」や「メール送信の直前に宛先間違いに気がついた」というような「ミスするところだった、危なかったー!」とヒヤッとしたり、ハッとしたりしたことはありませんか?
ほとんどの人はこの"ヒヤリハット"の経験があるかと思います。
実は、一つの重大な事故が発生するまでには、それ以前に300ものヒヤリハットが存在していると言われています。
つまり、ヒヤリハットが発生した段階で「危なかったー!」で終わらせず、同じことをほかの人がやってしまわないように改善や共有、対策をしておけば、今後組織として大きな事故を起こさずにすむ可能性が高くなるということです。
とある製造業の会社で『ヒヤリハット大賞』という表彰制度を取り入れて事故を減らすことに成功した事例があるのでご紹介しましょう。
この会社では、現場担当者の日報に「今日のヒヤリハット」という項目を設けることで、日々工場現場で起こるヒヤリハットを共有しやすくしました。また日報で報告された多数のヒヤリハットの中から、大事故を未然に防ぐことにつながった一番のヒヤリハット報告を年に一度表彰することで、社員が積極的にヒヤリハットを報告するような仕組みづくりをしました。この会社では表彰制度導入後、大きな事故が着実に減少しているそうです。
大きな事故のもとであるヒヤリハットを「ヒヤッとした。危なかった」で終わりにせず、活かしていくことがヒューマンエラー防止の近道になります。
ヒューマンエラー防止の仕組み例
では次に、ヒューマンエラーを防止するための仕組みづくりについて考えてみましょう。先ほどお伝えした通り、ミスが起きた際に「ミスを二度とするな!」と叱責するだけではミスの防止にはつながりません。ミスしたことを叱るのではなく、ミスが起きない仕組みを作ることが大切なのです。
例えば、A社宛ての請求書を間違えてB社に送ってしまうというミスが発生した際に、「今後は絶対に送り先を間違えないよう、送付前に宛先を確認しなさい」という感覚的な指導をしているだけでは、ミスはまた起こってしまうでしょう。
ではどうしたら良いのでしょうか?
例えば、ミスが起こる可能性がある作業自体をなくしてしまうという方法があります。
請求書送付時には窓あき封筒を使い、その窓から封筒の中に入っている書類に印字された「株式会社◎◎ △△様」という宛先が見えるようにすれば、宛先を間違えることは絶対になくなります。
いかがでしょうか?いくつか事例もご紹介しましたが、ヒューマンエラーを少なくするためのポイントはたったの一つです。
それは「原因を人のせいにせず、同じミスが発生しづらい仕組みをつくる」ことです。
メンバーのスキルや経験値に関係なく、誰が担当してもミスをしない仕組みをつくれば、ヒューマンエラーを限りなくゼロに近づけることができます。
「イメージはわかったけど、自社ではどのような仕組みづくりをすればいいのかわからない」という方はぜひこちらの研修にご参加ください。
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