印刷事業を中心に、様々な事業を展開されている東海共同印刷様。学びの風土づくりを目指し、管理職育成に注力されています。代表取締役の筒井斗志男様に学びの意欲を高める工夫などについてお聞きしました。
- 目的
学ぶ風土を組織に定着させ
社員全員で会社を成長させたい
- 解決策
アセスメントや面談、研修を通じて
管理職の学び・成長に対する意識変革を
- 成果
管理職が起点となり社内の学びを推進
社内エンゲージメント調査の結果も向上
- 社名
- 株式会社東海共同印刷 様
- 業種
- 製造業
- 従業員数
- 51~100人以下
- エリア
- 中部
- 階層
- 全社員
- 利用サービス
- Biz SCORE for Managers Biz CAMPUS Basic 講師派遣型研修
- 課題
- 自立自走/主体性 学ぶ風土
管理職を起点に、学びの文化を全社に広げる
社長自ら学ぶ重要性を繰り返し発信
筒井 以前から、会社全体が学び、成長する組織であるべきだという思いがありました。しかし、他社の研修などを導入しても、なかなか継続させることができず、「学ぶ風土の定着」ができずにいました。
しかし、経営者としては「縁あって当社に入社してくれた社員を大切にしたい」「そのために社員とともに良い会社を創りたい」という思いがあり、その実現のためには全社の学び、成長が不可欠だという考えがありました。
全社に「学ぶ風土」を定着させるためには、やはり管理職が模範となり、自ら学び成長する姿を示すべきかと思いますが、管理職であっても「私は勉強していない」と堂々と口にするメンバーもいるような状況でした。
それでも私には、絶対に学びが重要という信念がありましたので、毎月の全社朝礼や管理職会議で「良い会社にしたい」「管理職が率先して学ぼう」と繰り返し発信し続けてきた結果、徐々に理解されるようになりました。
受講はスムーズに進みましたか。
筒井 学ぶ重要性は徐々に理解されるようになっていましたが、初期はなかなか受講が進まず、「業務が忙しいから、参加できない」などの後ろ向きな声もありました。そうした声に対しては、「他の人に仕事をしっかり引き継ぎをして、参加してください」「研修の時間がないのは、段取りに課題があるからではないですか。その知識やスキルが足りないのならば、研修を受けて学んでみてはどうですか」と根気よく、説明を続けてきました。
「研修を受ければいいというわけではないのではないか」という意見にも「まずは受けるところからスタートしましょう。そうすれば次が見えてきます」と伝えてきました。受講だけでなく、報告書の提出なども停滞すれば、繰り返しリマインドしてきました。
会社側の本気度を伝え続けた結果、管理職全員が指定した研修をやりきることができました。もはや執念ですね(笑)
アセスメントで潜在的な課題と伸びしろを発見
筒井 研修をより効果的な学びにつなげるため、また管理職として自身の役割を再認識してもらうため、管理職にアセスメントテストとして受検してもらいました。
納得して前向きに受検してもらうために、自己認識の重要性や受検の目的、研修との連動について説明する場を受検前に設けました。
実際の受検の結果を見た管理職からは、「自身の能力を正しく認識できていなかった」などのコメントもあり、健全な危機感と学びへの意欲に繋がりました。
また、私たち役員層にも発見がありました。結果を見たある役員は「管理職一人ひとりを細やかに見られていなかったことに気が付いた。 管理職に向いているかどうか感覚的に判断し、向いていなさそうな人の育成は半ばあきらめてしまっていたことを反省した」と言っていました。
アセスメント結果を踏まえて、ALL DIFFERENTさんと育成策を具体的に検討してみると、管理職としての伸びしろがある人材が多くいることが分かりました。
筒井 診断テスト結果の振り返りのため、私と役員で管理職に対して2on1を行いました。面談をより効果的な振り返りの場とするために、まずは私と役員が受検結果の読み解き方や面談の進め方についてALL DIFFERENTさんの研修で学びました。導入部の話し方、相手の考えの引き出し方などについて具体的なアドバイスもいただき、とても有意義な学びになりました。
そして面談研修で学んだことを踏まえて、それぞれの管理職に対し、「三つの期待」を紙に書き出して整理しました。とても難しい取り組みでしたが、こちらも非常に意味のあるステップになったと感じています。
2on1では、受検結果を踏まえ、それぞれへの期待を整理して伝えたことにより、育成の意義や会社の取り組みたい方向性が管理職に深く伝わったと思います。
学びが社員の「夢」を生む
筒井 管理職が毎年、Biz CAMPUSの研修を受講するというサイクルが定着しました。さらに、管理職の重要な役割である「部下の育成」に対する関心が高まり、コミュニケーションやタイムマネジメントなど、何か社員の課題を見つけた管理職はALL DIFFERENTさんの研修の受講を勧めるという機会が増えています。そして学びのサイクルを繰り返す数が増えるにつれて、「これは改善すべき課題だ」と管理職や社員が気づく機会も増えているように感じます。
筒井 はい。そして嬉しいことに、社内エンゲージメント調査の結果、取り組み前に比べて「会社方針への理解」が向上しました。これは育成に粘り強く取り組んできた結果生まれた、プラスの影響だと思います。
筒井 学びへの意欲というのは、通常、何か課題にぶつかってから生まれるというパターンが多いと思うのですが、私はもう一つあると思っています。とにかくまず勉強してみることによって、何か挑戦したいという気持ちが湧き上がり、夢が生まれるという効果もあるのではないでしょうか。
研修やアセスメント、1on1など、どれも会社にとっては手間もコストもかかるものです。しかし、経営者が社員の成長を願うのならば、親が子供の教育にお金をかけるように、社員の教育にコスト、手間をかけるべきです。なぜならば、それが将来の財産につながるからです。
当社の今の取り組みで十分かと言えばそうではありませんが、育成の仕組みをつくり、継続していけば、たとえ小さな会社であっても、強力な会社になれると思います。今後は学んだことをさらにアウトプットしていく仕組みなど、さらに成長の仕組みづくりを進化させていきたいと思います。
事業内容: 組版編集・DTP/印刷・後加工/販売促進
デジタルプロモーション/広報・出版/Webサイト作成・運用/業務支援/アンケート
従業員数: 86名
本社: 愛知県名古屋市