横浜岡田屋様「小さくても強い会社になるため、 全社で取り組むコミュニケーション」|事例
- 従業員数
- :80名
- 主要業務
- :ショッピングセンターの企画運営、プロパティマネージメント事業、法人外商事業、通販事業、ビルメンテナンス事業
- キーワード
- :助け合いの職場
2015年に125周年を迎えた「神奈川にある小さくても強い会社」。125周年を機に、社長発信で制度変更を含めさまざまな取り組みを推進していらっしゃいます。ファッション関連・地域密着ということで地元の女性に人気の企業で20~30代の女性社員が増えており、女性活躍という観点でも課題をお持ちです。「はじまりは、おしゃべりから」というキーワードで社員同士のコミュニケーションを促し、職場での助け合いの雰囲気を醸成しています。
取り組みを始めた背景
以前百貨店を経営していて社員数の多い会社だったため、事業の転換期においてしばらく人材の採用をしていなかった時期がありました。このため管理職候補となる30~40代の社員が男女ともに少ない、偏った年齢構成になっています。社員の男女比は7:3ぐらいです。2008年から新卒採用を再開したのですが、女性の方が採用が多く、20~30代では男女比が4:6ぐらいです。しかしポストが限られていることもあり、女性の管理職はおらず、今後の幹部候補として育てていかなければ、という機運が高まっています。
商業施設での勤務の場合、施設の閉店までを担当する「遅番」があるのですが、ワーキングマザーは遅番の勤務が難しいので、周囲の協力・助け合いで調整しながら対応してもらっています。お互いにカバーし合いながら働かないと回らない職場だと思いますが、急な発熱などの対応はどうしても管理者の負担が大きくなり、ストレスを抱えている管理者もいると思います。
女性活躍推進の取り組み
125周年を機に、制度の見直しと社内のコミュニケーション活性化に取り組みました。いずれも社長の発案なのですが、まず制度については給与体系の見直しと福利厚生の拡充です。 給与体系はこれまでは年功序列だったものを、若い時にぐっと上げてそれ以降は緩やかに、というように子育て世代に厚い体系に変えています。
福利厚生については、一番大きなところでは出産祝金です。元からあったものを大幅に見直し、第1子には10万円、第2子には20万円、第3子以降は30万円を贈ることにしました。未就学のお子さん一人に対して毎月1万5,000円支給するという保育手当も新設しました。
もっといろいろとやっていくつもりなのですが、まずはできることからということで、金銭面から取り組みました。福利厚生は新卒採用時にも分かりやすいアピールポイントとなっています。
コミュニケーションの活性化ということでは、125周年のイベントとして定休日を設け、全社員が一堂に会する機会としました。これが非常に社内の評判も良かったことから、恒例になっています。さらに経営層から定休日も年に1回ではなく2回にしてはどうかという声もあり、今年は2月と8月の2回実施しました。
また人事担当の取り組みとして、社員全員と面談を実施しています。「はじまりは、おしゃべりから」というキーワードに基づいて、円滑なコミュニケーションから仕事に気づきを得られないかということでいろんなプロジェクトがあり、人事担当としても業務上の悩みや将来の要望などがあるかなどを一人ずつ聞いたりしています。
取り組みを始めて感じる効果
定量的に効果が出ているわけではありませんが、社内イベントについてはことあるごとにその話題で盛り上がります。出し物や余興、料理の話などです。また行きたいね、などと盛り上がるのでコミュニケーション活性化の効果はあると思います。
社長が会社説明をする際は「当社は神奈川の小さい、でも強い会社」という表現をします。この強さとは、経営としての強さとともに社員の結束の強さも意味しています。店舗対応の遅番などもあり、現場での助け合いがないと立ち行かない職場です。助け合いを評価するということは制度上はできていませんが、「小さな」という利点、つまり社長からみんなの顔が見える・意思疎通が図れるという利点を活かして、これからも社内のコミュニケーションを大事にしていきたいと思います。
社員との面談についても、ただ聞くだけ聞いて何も変化がなかったら余計に会社に対しての信頼感が失われたり変な感情を抱いたりしてしまうリスクもありますが、上司には言いづらいこともあるでしょうから、続けていきたいと思います。
今後の展開
今は男性の方が多いですが、新卒では女性に人気の会社ですし、女性がどんどん増えていって、そのうち逆転していくのではないかと思っています。そのような状況にあって、今できていることは、どちらかと言えば法律で決められている範囲に限られているので、もっと社員が働きやすい職場のために何ができるのか、多様な働き方ができる再雇用制度のようなものなど、同業他社の取り組み内容を参考にしながら考えていきたいと思います。遅番についても「なくした」という同業他社の話も聞いており、いきなりなくすことは難しくても、それぐらい根本的な取り組みが必要ではないかと考えています。
あと、時短勤務者の評価についても、どのように行えばいいのか悩みどころです。現在は単純に時短分を日割り計算してボーナスを減額するという対応をしていますが、本当にそれで良いのか、短時間で同じ評価であればそちらの方が優秀なのでは、などぜひ他社の取り組みも勉強したいと思います。
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2017.07.01 横浜岡田屋様「小さくても強い会社になるため、 全社で取り組むコミュニケーション」