A. その後、パチンコ事業部が人材育成に力を入れたいというタイミングで、そちらに関わることになりました。そこでは、部署をまたいだ会議に参加し部署間の垣根を壊したり、人財育成プロジェクトやアルバイト評価制度を構築したりしました。さらに、スタッフさんと仲良くなるために各店舗に通うなど、できることは何でもやりました。当時は、パチンコ事業部に女性従業員がいなかったため、リーダークラスの女性アルバイトを集めて、女性目線でサービスを考える、「女性プロジェクトチーム」を立ち上げたこともあるんですよ。
Q. 2014年に女性初の部長に昇進されたと聞きました。戸惑いはありませんでしたか?
A. 社長からストレートに「部長になってほしい」と言われ、また上司からは「次の部長になってほしい。そのつもりで成果を残してほしい」と言われ続けていたこともあり、昇進したことよりも、期待されている、認められていると確認できたことが何よりうれしかったのをよく覚えています。今思えば、男性ばかりの組織に、女性の視点が必要だったのではないでしょうか。よく、管理職への昇進を躊躇する女性が多いと聞きますが、私は"やってやるぞ!"という気持ちが強かったですね。
A. 現在当社では、従業員の半数以上を女性が占めています。しかし、女性従業員の数が増える一方で、結婚後も働きたいと思っている女性ばかりではないことがわかってきました。また、以前から育児休暇を取得する女性従業員はいるものの、復帰後の定着率が低いことが課題でした。女性管理職を増やすには、まずは女性従業員に働き続けたいと思ってもらえる仕組みづくりから始める必要があります。
A. 何よりもまず、会社や周囲のサポートの重要性を痛感しています。私が子育てをしていた頃は、例えば娘が熱を出しても迎えに行きづらい雰囲気があり、すごく肩身の狭い思いをしました。幸いにも私は母親のサポートがあったので、何とか乗り切ることができましたが、現在子育て中の女性やこれから子どもを持つであろう女性たちに同じ思いはしてほしくありません。
A. 本社内で試験的に“子育てマーク”の運用を始めました。これは、デスクにワーキングマザーであることがわかるマークを付けさせ、早く帰ることをアピールさせるというものです。この制度の導入以前は、子育て中の従業員だとは気づかずに、時間に関係なく仕事を依頼してしまう従業員がいたのですが、今では両者が子育てマークをうまく活用して、仕事の期日を決めているようです。
A. 私たちの業界に限らず、人材不足が懸念される中、優秀な人材の確保という新たな課題が出てきました。当社には、育児に専念するために退職した従業員も少なからずいますので、その方たちに再び当社でチャレンジしてもらう制度を作ることも一案です。知恵を絞って、様々なバックグラウンドを持つ“人財”の活用と活躍を推進していきます。
A. 仕事を進める上で気づいたことや思ったことは、必ず誰かに伝えることが重要だと考えています。「こう思うんだけどなぁ」「自分が言ってもなぁ...」と感じているものの、それを言葉にしない人は周りに大勢いるはずですから、自身の考えを発信することで、賛同してくれる人を見つけることが大切なのではないでしょうか。キャリアにおいて男女の差はありませんが、周りが男性ばかりだと賛同を得にくいこともありますので、謙虚さを忘れずに、かつ戦略的に伝えることで、1人でも多くの賛同者をつくって成果につなげてほしいですね。もちろん私自身も成果につなげられるような働きかけをしていきます。