A. 当社の事業であるホームステージングとは、売却する物件をモデルルームのように家具や小物で演出し、買い手により良い印象を与えることで売却活動を円滑にするサービスのことです。インテリアコーディネートだけでなく、家具の搬入や組み立ても大切な作業です。良くも悪くも当社の代表が男女の関係はフラットと考える人で、男女の体格差や体力差を気にして業務を分けることをしないんです。そのため創業当初は、男女関係なく力仕事をこなす“ガテン系”の仕事という印象が強い会社でした。
A. 当時は男女3人でチームを組み、1チームが1日1件を仕上げるという体制でした。しかし、ホームステージング市場の拡大によって案件数が急増し、今のままでは数をこなせなくなってしまい。男女平等で働ける環境をつくるという観点からも、力仕事をアウトソーシングすることにしたんです。搬入や組み立てを外部にお任せする分、チーム制をやめて1人で1日2件を担当する体制に変え、同時にコーディネートのクオリティを高めること目指しました。
現場での作業の様子。以前は、男性は家具の組み立て、女性は飾り付けという分業制だった
Q. 大幅な体制変更への反発はなかったのですか?
A. 当然ありました。3人で行っていた現場に1人で行って仕上げてくるわけですから、今まで以上に責任とプレッシャーがかかりますよね。男性社員の中には力仕事に誇りを持っていた社員もいたので、活躍の場が減ってしまったと戸惑う人もいました。会社が成長するために必要な変革だと理解していても、気持ちが追いつかなかったり、「できるのかな?」という不安を抱いたりする社員が多かったですね。残念ながら離職してしまった人がいたのも事実です。
対話とスキルアップの場をつくり 変化に伴う不満と不安を払拭
Q. 社員の不満や不安をどのように解決していったのですか?
A. 当時、オフィスが狭くて社員がワンフロアにいなかったこともあり、物理的に意思疎通が図りづらい環境で、要望や不満・不安を日常会話の中で吸い上げることが難しかったんです。
A. お互いの理解を深めるために、コミュニケーションの場を積極的につくるようにしています。実は、アウトソーシングをきっかけに、代表と私で行っていた最終のコーディネートチェックを他の社員にも任せることにしたのですが、その結果、「自分よりも社歴の浅い、しかも女性にチェックされることが気に入らない」など、性別や年齢による意思疎通の課題が顕著になっていったんです。チームで動くことがなくなり、お互いを理解する機会が減ってしまったことも要因だったのかもしれません。そこで、社内行事や様々なメンバーでランチに行くシャッフルランチを開催するなど、コミュニケーションの機会をつくって改善を図っていきました。
A. 男女の違いに限らず個々の考え方や価値観が違うのは当たり前のこと。当社では、その違いを受け入れ、"違いをもとに理解し合う"ことを大切にしていて、勉強会やミーティングの場を使って、ことあるごとに「相手に違和感を持つことは素晴らしいこと、違和感を持たない方が変だ」という考えを伝えています。型にはめてお互いの可能性を限定するのではなく、個々の違いや良さを理解することが大事なのではないでしょうか。まだまだパーフェクトではありませんが、個人の違いを理解しようとする雰囲気はかなり定着してきました。
A. 子どもを持つ女性として、私は以前から「子育てしていてもおばあちゃんになっても、働き続けられる会社にしたい」と思っていました。当社は女性の活躍という切り口にこだわっていませんが、あえて女性活躍という視点で考えてみると、フレックスのシフト制が“女性が働きやすい”職場につながっている気がします。例えば、子どもや家庭の都合で朝から出社することが難しい日があれば、午前中は家で仕事をして、午後から出社することも可能です。普段からコミュニケーションをとっていることで、周りの社員もスムーズに対応できます。必要以上の縛りをつくらないことで、ライフイベントに左右されずに働ける環境が当社の良いところだと思います。