シーエスラボ様「女性人材を確保するために“働きやすさ”でブランディング」|事例
株式会社シーエスラボ 様
- 従業員数
- :129名(2017年12月1日時点)
- 主要業務
- :化粧品や医薬部外品など、一般商品および業務用商品の企画・開発、受託製造
- キーワード
- :ブランディング戦略
多くの女性社員が活躍するシーエスラボは、えるぼし認定を取得し、女性が働きやすい職場づくりを加速しています。「当社の工場では女性に向いている作業が多く、今後も女性の力が不可欠です。他社との差別化で優秀な人材を確保し、継続的に働いてもらえる環境を整えていきます」と人事総務課の宍戸恵課長は語ります。女性の働きやすさをアピールし、採用に結び付けている同社の取り組みをご紹介します。
“女性が働きやすい”が一目でわかる!
- Q. えるぼし認定を取得し、女性活躍を積極的に推進されています。えるぼし認定を取得されたきっかけを教えてください。
- A. 当社は化粧品のOEM事業を展開しているため、製品の中身や容器の形状はお客様によって異なります。工場では入れ替わり立ち代わり別の製品を製造し、毎日同じ製品を作り続けることはありません。そのため、細かい違いに気づきやすいことなど、女性の方が向いている仕事が多く、ライン作業のほとんどを女性パート社員が担っています。
しかし、私たちの工場は群馬県の工業団地内にあるため、他社との人材の奪い合いが激化しています。加えて2019年6月に新工場が竣工するため、女性を中心に採用を拡大したいというのが喫緊の課題でした。一方、当社は130人ほどの小さな会社でネームバリューはありませんし、時給で他社と差をつけることも難しいのが現状です。化粧品だから何となくイメージが良い...、それだけでは優秀な女性を集めることはできません。そこで考えたのが、"働きやすさ"でブランディングすることでした。 - Q. ブランディングの一環として、えるぼし認定を取得されたということですか?
- A. 当社の男女比は、男性37%、女性63%。正社員だけであれば割合は半々ですが、パート社員の9割が女性です。当社のように女性が多い会社では、女性が働きやすい職場を実現すれば、皆が働きやすい職場となるはず、と考えました。「従業員を大事にしている」「女性が活躍している」と一目でわかってもらうために、まずはえるぼし認定を取得することから始め、2017年3月に3段階目に認定されました。
実は私自身、「働き続けたい、働くからには活躍したい」という思いを持っていて、「女性の比率が高く、活気のある職場」という求人コピーに惹かれて当社に転職したんです。実際に働いてみて、例えば有給休暇を自身の裁量で取得しやすかったり、何か改善点を提案すれば、「じゃあ、やってみて」と任せてもらえたりする風土が根付いていて、非常に風通しの良い、働きやすい会社だと実感しています。
パート社員にも人事評価の機会を
- Q. 工場勤務の女性採用を拡大し、継続して働いてもらうために、どのような取り組みをされているのですか?
- A. 全従業員に対して、社長と1対1で話せる社長面談を半年に一度設けているほか、フルタイムであればパート社員にも賞与を支給する制度を整えているからか、離職率が非常に低いのが当社の特徴と言えます。しかし、人材不足がますます深まる中、さらにモチベーションを上げ、いつまでも働き続けたいと思ってもらえるよう、新たにパート社員の人事評価制度を作りました。中には正社員を目指すパート社員もいますので、意欲があれば活躍できる場が広がるということをきちんと示す必要もあったんです。そうしないと「いつまでやっても待遇は変わらないでしょ!」と思われてしまいますよね。また工場ではよく、管理する若手社員よりも昔から働いているパート社員の発言力が強くなってしまうことがあります。そこのバランスを見るためにも、パート社員向けの評価基準が必要であると判断しました。
- Q. 新たな制度を作るには苦労も多かったのではないですか?
- A. 何度も現地に赴き、どんなところを評価するのか、本当に運用できるのか...など、評価者となる社員とすり合わせを行い、約半年かけて仕組みを整えていきました。「こうすべきだ」という私たち人事の考えと、「こうしたい」という現場の声、そしてそこに経営からのオーダーを組み込んで一つの制度に仕上げるのは本当に大変でした。ただ、幸いにも当社の経営層には「えるぼし認定の取り消しは恥ずかしいこと」という理解がありますし、中小企業ならではのフットワークの軽さがあります。そういった風土を活かして、比較的スムーズに構築することができたと思います。まだ出来上がったばかりの制度ですので、運用しながら改善点を探っていきます。
託児所の開設でワーママが安心して働ける環境整備を加速
- Q. 新しい評価制度でどんな効果が現れるのか、今から楽しみですね。ところで、パート社員の中には子育て中の女性も多いと察しています。
- A. 当社の工場は日中のみ稼働しています。昼間に働けるという点で、パート社員の多くがお子さんのいる主婦層です。また、新工場の竣工を控え、小さいお子さんがいるお母さんにも働きに来てほしい、子育て中でももっと活躍してほしいとの思いから、既存工場のすぐ隣に事業所内保育所を造ることにしました。開所は2018年6月を予定しています。職場の隣ですし、病児保育も行う予定ですので、安心して働ける環境を提供できるのではないかと考えています。当社の従業員だけでなく、近隣の会社や地域住民の方にも利用していただける託児所ですので、当社が推進する“地域との共生”の強化にもつなげられるのではないかと思っています。
- Q. 自社の従業員のために託児所を設ける会社が多い中、地域の方も対象にすることで人が集まりそうですね。
- A. 近くに工場があると、「何を作っているのかわからない」「あの煙は大丈夫か?」という声が上がることが多いと聞いています。しかし、隣で子どもを預かっているとわかれば、住民の方々の目も違ってくるのではないでしょうか。地域の方々にとってなくてはならない場所にしたいですし、子どものころから当社を知ってもらうことで、将来従業員として活躍してもらう。そんなサイクルを回していけたらいいですね。
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2018.01.12 シーエスラボ様「女性人材を確保するために“働きやすさ”でブランディング」