A. 当社は化粧品のOEM事業を展開しているため、製品の中身や容器の形状はお客様によって異なります。工場では入れ替わり立ち代わり別の製品を製造し、毎日同じ製品を作り続けることはありません。そのため、細かい違いに気づきやすいことなど、女性の方が向いている仕事が多く、ライン作業のほとんどを女性パート社員が担っています。
A. 当社の男女比は、男性37%、女性63%。正社員だけであれば割合は半々ですが、パート社員の9割が女性です。当社のように女性が多い会社では、女性が働きやすい職場を実現すれば、皆が働きやすい職場となるはず、と考えました。「従業員を大事にしている」「女性が活躍している」と一目でわかってもらうために、まずはえるぼし認定を取得することから始め、2017年3月に3段階目に認定されました。
A. 全従業員に対して、社長と1対1で話せる社長面談を半年に一度設けているほか、フルタイムであればパート社員にも賞与を支給する制度を整えているからか、離職率が非常に低いのが当社の特徴と言えます。しかし、人材不足がますます深まる中、さらにモチベーションを上げ、いつまでも働き続けたいと思ってもらえるよう、新たにパート社員の人事評価制度を作りました。中には正社員を目指すパート社員もいますので、意欲があれば活躍できる場が広がるということをきちんと示す必要もあったんです。そうしないと「いつまでやっても待遇は変わらないでしょ!」と思われてしまいますよね。また工場ではよく、管理する若手社員よりも昔から働いているパート社員の発言力が強くなってしまうことがあります。そこのバランスを見るためにも、パート社員向けの評価基準が必要であると判断しました。
Q. 新たな制度を作るには苦労も多かったのではないですか?
A. 何度も現地に赴き、どんなところを評価するのか、本当に運用できるのか...など、評価者となる社員とすり合わせを行い、約半年かけて仕組みを整えていきました。「こうすべきだ」という私たち人事の考えと、「こうしたい」という現場の声、そしてそこに経営からのオーダーを組み込んで一つの制度に仕上げるのは本当に大変でした。ただ、幸いにも当社の経営層には「えるぼし認定の取り消しは恥ずかしいこと」という理解がありますし、中小企業ならではのフットワークの軽さがあります。そういった風土を活かして、比較的スムーズに構築することができたと思います。まだ出来上がったばかりの制度ですので、運用しながら改善点を探っていきます。
A. 当社の工場は日中のみ稼働しています。昼間に働けるという点で、パート社員の多くがお子さんのいる主婦層です。また、新工場の竣工を控え、小さいお子さんがいるお母さんにも働きに来てほしい、子育て中でももっと活躍してほしいとの思いから、既存工場のすぐ隣に事業所内保育所を造ることにしました。開所は2018年6月を予定しています。職場の隣ですし、病児保育も行う予定ですので、安心して働ける環境を提供できるのではないかと考えています。当社の従業員だけでなく、近隣の会社や地域住民の方にも利用していただける託児所ですので、当社が推進する“地域との共生”の強化にもつなげられるのではないかと思っています。
A. 近くに工場があると、「何を作っているのかわからない」「あの煙は大丈夫か?」という声が上がることが多いと聞いています。しかし、隣で子どもを預かっているとわかれば、住民の方々の目も違ってくるのではないでしょうか。地域の方々にとってなくてはならない場所にしたいですし、子どものころから当社を知ってもらうことで、将来従業員として活躍してもらう。そんなサイクルを回していけたらいいですね。