女性の「長く働き続けたい気持ち」を左右するものとは?
2017年3月30日
女性社員に長く働いてもらうために必要なことはなんでしょうか。女性を優遇することでしょうか。あるいは女性のためのポストを用意することでしょうか。ヒントは女性社員を取り巻く環境、すなわち「職場」にありました。
長く働きたい女性、しかし伸びない勤続年数
本プロジェクトのテーマである女性活躍推進は、「女性が長く働くことができる社会をつくる」と言い換えることもできますが、ここで疑問が浮かぶ方もいらっしゃるのではないでしょうか。まず「実態はどうなのか?」「男女雇用機会均等法が施行されてから30年以上が経った現在でも、女性は長く働くことができないのか?」、また「女性の本音は?」「女性は長く働きたいと思っているのか?」などです。
厚生労働省が発表しているデータに、労働者の平均勤続年数※1の推移を男女別に示しているものがあります。これを見ると、この30年間、平均勤続年数は男女とも横ばい、ないし微増となっており(男性1年程度、女性2年程度の増加)、ほとんど変化がなかったことが分かります。なお平成24年時点で男性は13.2年、女性は8.9年の平均勤続年数となっています。
※1 労働者がその企業に雇い入れられてから調査対象期日までに勤続した年数
では、女性社員の本音はどうでしょうか。そもそも女性は長く働きたいと思っているのでしょうか。「ライフイベントや所属組織に関わらず、できるだけ長く仕事を続けたいと思っている」という項目に「非常にあてはまる」「あてはまる」「ややあてはまる」と回答した働く女性は75%、実に4人に3人が該当しました。同じ質問に対して男性は66%、女性の方が男性よりも10ポイント近く高い結果となりました(t検定、統計的有意差あり)。
【調査概要】
調査対象者 | 企業に勤める管理職・リーダー・実務担当者
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回答者数 | 管理職 | リーダー | 実務担当者 | 合計 | |
男性 | 1,575 | 799 | 1,300 | 3,674 | |
女性 | 369 | 344 | 1,015 | 1,728 | |
合計 | 1,944 | 1,143 | 2,315 | 5,402 | |
調査方法 | 自記式アンケート調査 | ||||
調査期間 | 2016年9月~12月 | ||||
調査内容 | 各層ともに、キャリアおよび仕事に対する意識と行動、 また会社の制度や環境、職場文化など長く働くことに関する全般について、 「現在どうか」および「過去のある時点でどうだったか」を調査 |
※ 調査結果を引用・転載する場合には出典を記載してください。
【出典記入例】
- 出典:トーマツ イノベーション(現・ALL DIFFERENT)×中原淳 女性活躍推進研究プロジェクト (2017)「女性の働くを科学する:本調査」(https://www.all-different.co.jp/npro/2017/)
- 出典:トーマツ イノベーション(現・ALL DIFFERENT)×中原淳 女性活躍推進研究プロジェクト (2017)「女性の働くを科学する:追加調査」(https://www.all-different.co.jp/npro/2017/)
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