社会人2~4年目社員の意識調査(仕事の量・質・難易度編)
社会人4年目で「簡単すぎる」「飽きを感じる」と離職意向を抱きやすい! 若手の定着と早期活躍のカギは「ストレッチアサインメント」と「スキル習得」にあり
2024年3月15日
2023年8月2日~8月7日の期間、社会2年目~4年目の900名を対象に「若手社員の意識調査」を行いました。本調査レポートでは、仕事の難易度や量など、若手社員が直面している仕事の内容について調査・分析します。
背景
市場ニーズや外部環境の変化に伴い、社員が組織から期待されることは大きく変化しています。当社で実施した調査*1によると、一般社員に期待されていることの中身は、10年前と現在とで大きく異なる結果となりました。例えば、下記の図の通り、10年前は「定型的な業務を確実に遂行する」「上位層の方針や判断をこまめに確認し、行動する」ことが求められていましたが、現在は「非定形的な業務・プロジェクト型の業務で役割を遂行する」「自ら現場で判断し、行動する」ことが求められるようになりました。
こうした、主体性や自立自走の姿勢を若手社員に求める企業も増えてきています。しかし、非定型的な業務に対して、自らの役割に基づきやるべき事を判断し、行動するのは難易度の高い仕事です。そうした難易度の高い仕事が求められることを、若手社員本人はどう捉えているのでしょうか。若手社員の早期離職やモチベーション低下が問題となる昨今の実情を踏まえ、2~4年目社員の「仕事への向き合い方」を調査しました。本調査の結果が、若手社員の育成に悩む経営層、人事担当者、さらには現場の管理職の方にとって、若手社員の育成施策を考える上での、有益な情報になれば幸いです。
調査結果の概要
- ● 「仕事の飽き」、前年に続き社会人2年目が最も実感する結果に
- ● 仕事の難しさの壁、年次が上がるにつれ「不安」増加。社会人3年目は「期待に応えよう」「負けたくない」と前向きに立ち向かう傾向も
- ● 仕事が簡単である壁、社会人2年目・3年目は「楽しもう・期待に応えよう」と感じる一方、4年目では「不満」が増える結果に
- ● 仕事の量が多い壁、年次が上がるにつれ「大変」と感じる割合が高まるが、「期待に応えよう」と感じる割合も増加
- ● 仕事の飽きの壁、社会人2年目では「不満・不安・我慢」が上位を占め、社会人4年目で「会社を辞めたくなった」が急激に高まる
1. 「仕事の飽き」、前年に続き社会人2年目が最も実感する結果に
今回の調査結果では、社会人2~4年目の若手社員が直面している「仕事に関する壁」について、社会人2~4年目の若手社員がどのような捉え方をしているか、調査・分析しました。
まず、仕事の壁に直面したことがあるかという問いに対して、「とてもよくある」「たまにある」と回答した割合を抽出した図が(図1)となります。
仕事の難易度について、仕事が難しすぎる・求められる役割が高すぎることが「とてもよくある」「たまにある」と回答した割合は、社会人2年目が38.3%、社会人3年目が36.0%、社会人4年目が39.7%となりました。一方、仕事が簡単すぎる・求められる役割が低すぎることが「とてもよくある」「たまにある」と回答した割合は、2年目が25.4%、3年目は21.3%、4年目21.4%となりました。仕事の難易度では、年次関係なく簡単な仕事をアサインされるよりも難しい仕事をアサインされる方が、壁を感じる割合が高いことがわかります。
次に、仕事の量が多いと感じる割合を比較しました。結果、社会人2年目は40.7%、社会人3年目は42.0%、社会人4年目は46.3%となり、年次があがるにつれ、仕事の量の多さに壁を感じていることが判明しました。
最後に、仕事が飽きた、つまらないと感じた割合を比較すると、社会人2年目は42.4%、社会人3年目は38.0%、社会人4年目は40.0%となりました。前年の調査結果*2でも、社会人2年目が仕事に対して最も飽きを感じていることがわかり、今回も同様の結果となりました。(図1)
https://www.all-different.co.jp/column_report/research/research_75_221005.html
2. 仕事の難しさの壁、年次が上がるにつれ「不安」増加。社会人3年目は「期待に応えよう」「負けたくない」と前向きに立ち向かう傾向も
ここからは、若手社員がそれぞれの「壁」をどのように捉えたか、詳しく見ていきましょう。
まずは、仕事を進めるにあたり仕事が難しすぎる・求められる役割が高すぎると感じた社員が、その状況をどのように捉えたか、年次別に比較しました。
社会人2年目は「不安に感じた」と回答した割合が30.4%、次に「成長の機会と感じた」が24.3%、「大変と感じた」が20.0%となりました。
社会人3年目は「不安に感じた」と回答した割合が31.5%、次に「成長の機会と感じた」が25.9%、「期待に応えようと感じた」が25.0%となりました。
社会人4年目は、「不安に感じた」と回答した割合が38.7%、次に「成長の機会と感じた」が26.9%、「大変と感じた」が23.5%となりました。
年次別に比較すると、回答が最も多く集まったのは全年次共通で「不安に感じた」であり、さらに年次が高まるにつれて、その不安が高まる傾向にあることがわかりました。同様に、「成長の機会と感じた」と回答する割合も年次があがるにつれ、高くなりました。興味深い点では、社会人3年目は「期待に応えようと感じた」「負けたくない・乗り越えたいと感じた」とポジティブに回答する割合が他年次より高く、難しい仕事に対して前向きに立ち向かおうとする姿勢が見受けられました。(図2)
3. 仕事が簡単である壁、社会人2年目・3年目は「楽しもう・期待に応えよう」と感じる一方、4年目では「不満」が増える結果に
次に、仕事を進めるにあたり、仕事が簡単すぎる・求められる役割が低すぎると感じた社員が、その状況をどのように捉えたか、年次別に比較しました。
社会人2年目は「この経験を楽しもうと感じた」が34.2%、次に「期待に応えようと感じた」が23.7%となり、上位2項目がポジティブな回答となりました。
社会人3年目は「この経験を楽しもうと感じた」が23.4%と最大となり、次に「期待に応えようと感じた」「負けたくない・乗り越えたいと感じた」が同等の割合で21.9%となりました。
社会人4年目は「この経験を楽しもうと感じた」が28.1%と最大となり、次に「不満を抱いた」が26.6%、「期待に応えようと感じた」が25.0%と続きました。
年次別に比較をすると、社会人2年目、3年目は仕事が簡単なことに対して「楽しもう」「期待に応えよう」とポジティブに捉える傾向にあるのに対し、社会人4年目では「不満」の割合が高まりました。(図3)
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