内定者意識調査(2023年度 内定期間に考える働く理由編)
学生時代の経験で「働く理由」「入社企業を選ぶ背景」に違いがあることが明らかに!

2024年2月29日

調査・研究

2023年10月16日~12月4日の期間で、403名を対象に「内定者意識調査」を行いました。2024年に入社を予定している内定者の「学生時代の経験」が「働く理由」にどのような影響を及ぼしているか調査・分析を行いました。

背景

企業を取り巻くビジネス環境が急速に変化する中、企業が発展し続けるために、人的資源の確保・定着が急務となっており、優秀な若手社員の定着は経営課題のひとつとされています。その中でも新入社員には、目標達成のための努力経験を積みながら成長し、長期的な活躍をすることが企業から期待されています。昨年、当社で実施した社会人1年目の意識調査*1では、学生時代に高い目標に向けて努力した経験がある新人は、経験がない新人より、入社前後のギャップをポジティブに捉える傾向があることが明らかとなり、学生時代の経験が入社後の仕事の向き合い方に大きく影響することがわかりました。

当社は例年、内定者意識調査を行っておりますが、今回の調査では「学生時代の経験」が「働く理由」にどのような影響を及ぼしているかを知るべく、新たに設問項目を追加し、本調査を実施しました。本レポートが、組織力向上を図りたい経営層、人事担当者、さらには現場の管理職の方にとって、有益な情報となれば幸いです。

調査結果の概要

  • ●  内定者が考える働く理由、「お金を稼ぐため」が56.6%と最大の割合に

  • ●  学生時代に目標達成のための努力経験がある内定者は、ない内定者よりも「能力・人間性向上」「やりがい」を重視する傾向に

  • ●  目標達成のために努力できた理由、上位は「興味・関心があったから」「成長したかったから」

  • ●  入社する企業を決めた理由、「業界・事業内容」「業務内容」に興味を持ったからが上位の結果に

  • ●  入社する企業を決めた理由、目標達成のための努力経験がある内定者は、ない内定者より「先輩社員の魅力」「成長できる環境」「会社の目指す方向への共感」を重視する傾向

  • ● 【考察】入社後活躍する新人が育つ環境とは

(概要)

1. 内定者が考える働く理由、「お金を稼ぐため」が56.6%と最大の割合に

2024年に入社を予定している内定者に対し、何のために働きたいか、働く理由について質問しました。結果、「お金を稼ぐため」と回答した割合が56.6%と最も高くなりました。次に、「自分の能力や人間性を高めるため」が43.7%、「社会貢献や誰かの役に立つため」が42.7%と続きました。(図1)

(図1)

2. 学生時代に目標達成のための努力経験がある内定者は、ない内定者よりも「能力・人間性向上」「やりがい」を重視する傾向に

次に、先述の「働く理由」の回答結果を、学生時代に目標達成のために努力した経験があるないかで比較・分析しました。

その結果、目標達成のために努力した経験があると回答した内定者は、55.1%が「お金を稼ぐため」と回答し、次に「自分の能力や人間性を高めるため(44.1%)」、「社会貢献や誰かの役に立つため(41.7%)」と続きました。

一方、目標達成のために努力した経験がないと回答した内定者は、81.8%が「お金を稼ぐため」、59.1%が「社会貢献や誰かの役に立つため」と回答し、目標達成のために努力した経験がない内定者は、ある内定者よりも「お金を稼ぐため」と回答した割合が26.7ポイント高い結果となりました。

目標達成のための努力経験がある内定者は、ない内定者よりも「夢を叶えるため」「生きるため」「自分の能力や人間性を高めるため」「やりがいを感じるため」と回答した割合がそれぞれ13.6ポイント、9.3ポイント、7.7ポイント、7.2ポイント高くなり、やりがいや自己成長を重視する傾向が見られました。(図2)

(図2)

3. 学生時代に目標達成のために努力できた理由、上位は「興味・関心があったから」「成長したかったから」

目標達成のために努力した経験がある内定者が、ない内定者よりやりがいや自己成長を重視する傾向があることがわかりましたが、なぜ目標に向かって努力することができたのか、その理由を調査しました。

結果、「興味のあること/得意分野だったから」が56.4%と最も高い割合となりました。続いて、「成長したかったから(45.9%)」「達成感を得たかったから(29.7%)」「やりきることに価値があると思ったから(28.1%)」となりました。(図3)

学生時代に目標に向かって努力した経験がある内定者の多くは、その内容が「興味・関心があるかどうか」「得意としている分野かどうか」と、その経験によって「成長できるか」「達成感を得られるか」を重視していると推察できます。

(図3)

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