新入社員意識調査(2023年 卸売業・小売業編)
2023年入社 卸売業・小売業の新入社員は、「人間関係」や「立ち居振る舞い」への関心が強い結果に。社会人基礎力を習得できる仕組みづくりが不可欠!

2023年6月30日

調査・研究

2023年4月1日~5月25日の期間、2023年入社の新入社員5,623人を対象に「新入社員意識調査」を行いました。本調査レポートでは、2023年に卸売業・小売業へ入社した新入社員の価値観について分析、考察しています。

背景

2023年入社の新入社員はZ世代と呼ばれ、物心ついたときからすでにデジタル技術が発達している社会で育ってきました。幼少期から高速通信環境が存在し、学生時代には4G・5Gが整備され、YouTubeなど個人発信のエンタメの発展と共に育ってきました。また、学生時代は、新型コロナウイルス感染症の影響によりコミュニケーションの大部分がオンラインへと移行。組織を意識することや、集団行動が求められる機会が減少したことにより友好関係も縮小傾向にありました。さらに、近年はロシア・ウクライナ戦争の長期化による経済の縮小、原材料価格や物流費の高騰や円安など、様々な外部環境の変化に翻弄される企業を、メディアを通じて見てきたことでしょう。

そこで、今回の調査では、このような外部環境の大きな変化と共に育ってきた今年の新入社員が、仕事に対してどのような価値観をもっているのかを明らかにすべく、「新入社員の意識調査」を行いました。本調査結果が、組織づくりや新入社員育成に悩む経営層、人事担当者、さらには現場の管理職の方、OJT担当の方にとって有益な情報となれば幸いです。

調査結果の概要

  • ●  入社式後の新人の気持ち、半数以上が「不安」「緊張」と回答
    特に「仕事についていけるか」「基礎的なマナーの習得」に不安を抱える傾向に

  • ●  身につけたいスキル、8割以上が「ビジネスマナー」と回答。他業種よりも「マナー習得」に不安を感じる傾向に

  • ●  昨年より「リーダー志向」が5.2ポイント減少。一方、「楽しく仕事したい」「まだわからない」が増加する結果に

  • ●  今後していきたい仕事、7割以上が「楽しくてやりがいのある仕事」と回答
    「自分のペースでやり切れる仕事」は4年連続増加傾向

  • ●  今の会社で働き続けたいと思える状況、「職場の人間関係が良い」が7割を超え最多に

  • ●  理想の上司は「間違いを指摘して正してくれる上司」「よく見て声かけてくれる上司」
概要

1. 入社式後の新人の気持ち、半数以上が「不安」「緊張」と回答。特に「仕事についていけるか」「基礎的なマナーの習得」に不安を抱える傾向に

2023年4月、入社式を終えたばかりの新入社員5,623人に、現在の気持ちを単一選択で質問しました。結果、卸売業・小売業の新入社員は、「不安」と回答した新人が33.1%と最も高くなりました。次に、「緊張」が26.0%、「期待」が14.8%と続きました。「緊張」に関しては、卸売業・小売業界を除く全業種(以下、『他業種』と記載)よりも5.1ポイント高い結果になりました。(図1) 

(図1)

さらに、卸売業・小売業の新入社員が現時点で「不安」に感じることは何か質問したところ、「仕事についていけるか(仕事の難易度)」が最も高く63.1%となりました。次に「社会人の基礎的なマナーの習得」が47.3%、「生活リズムや社会人としての考え方の習得」が43.2%と続きました。

他業種との比較においては「社会人の基礎的なマナーの習得」が他業種よりも7.0ポイント高い結果となり、卸売業・小売業の新入社員は、他業種よりも社会人としての振る舞いに不安を感じていることがわかります。(図2)

(図2)

2. 身につけたいスキル、8割以上が「ビジネスマナー」と回答。他業種よりも「マナー習得」に不安を感じる傾向に

また、マナーの習得に関して不安を感じていることは、こちらの質問への回答結果からも見受けられました。社会人1年目で身につけたいスキルは何かを質問したところ、「ビジネスマナー」が85.5%と最も高い割合となりました。

他業種との比較においても「ビジネスマナー」を身につけたいと回答した割合は、他業種より9.4ポイントと1割近く高い結果となりました。なお、卸売業・小売業と他業種とで回答結果に最も差が出た項目は「ITリテラシー」です。こちらは逆に他業種よりも身につけたいと回答した割合は22.6ポイント低く、3.3%の結果となりました。(図3)

(図3)

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