若手社員の意識調査 社会人2~4年目の壁【ストレッチ業務編】
業務アサインは難易度の見極めが重要! 難しい仕事への挑戦は「成長機会」「期待に応えたい」と感じるが、プレッシャーを感じすぎると「不満」「離職意向」へつながる
2022年10月12日
当社では、2022年7月、社会人2年目~4年目の900人に対し、2022年7月に直面している壁に関する意識調査を行いました。本調査レポートでは、2年目、3年目、4年目と各年次が、本人の力量より難易度の高い仕事であるストレッチな業務に関する壁について、どのような価値観を持っているか、調査結果を公表いたします。
背景
当社ではこれまで、新入社員の意識調査や入社1年目のギャップに関する調査など、1年目社員の調査を様々な視点で行ってきました。人材育成、採用などの業界においても1年目社員に関する調査は数多く実施されていますが、2~4年目の社員に関しては1年目ほどフォーカスが当たっていないのが現状です。一般的に"若手"と一括りにされることが多い年次ですが、各年次における意識は多種多様ではないでしょうか。若手が思うように育たない、新人研修やOJTなど時間やコストを投資したがすぐに辞めてしまう、これからというタイミングで転職してしまうなど、若手に関する悩みは多くの企業が抱えており、当社にも日々相談が来ています。その解決の糸口をみつけるために、若手を紐解き、2年目、3年目、4年目と各年次がそれぞれどのような価値観を持ち、悩みを抱えているのか、また共通点や違いは何かを明らかにすべく、各年次に対して調査を実施しました。本調査はこのような点からも他に例をみない調査となりました。調査結果が新入社員・若手社員育成に悩む経営層、人事担当者、さらには現場の管理職の方にとって、有益な情報となれば幸いです。
調査結果の概要
- ●「仕事の判断を任されることがある」のは2年目が最も高く約5割が実感。年次が上がるにつれて低下傾向
- ● 全年次が難しい仕事と感じるのは「スキルアップへの挑戦」。2年目は「上層部とのやり取り」、3年目は「影響範囲の大きい業務」、4年目は「リーダーシップの発揮」においても難しさを実感
- ● 難しい仕事と感じる場面は「成長の機会」「期待に応えよう」と全年次がポジティブに捉える
- ● 仕事の判断を任される状況、どの年次でも成長の機会や期待に応えようといった気持ちにつながるが、その次には不安の感情が存在
- ● 自分の能力を超えた難しすぎる仕事は、ポジティブな感情よりも不安が勝り始める
- ● 2年目の4割が精神的に追い詰められたことありと回答。各年次共通して、1位は「プレッシャーが大きいとき」
- ● 精神的に追い詰められた状況は不満や離職意向につながる
1.「仕事の判断を任されることがある」のは2年目が最も高く約5割が実感。年次が上がるにつれて低下傾向
本調査では、社会人2年目、3年目、4年目の若手社員に対し、現在どのようなことに困難を感じているか、不安を感じているか、仕事や上司、キャリアや自身の成長など、16の項目(以下、『16の壁』と記載)について質問しました。その中でも、「難しい仕事をすることがある」や「仕事の判断を任されることがある」といった本人の力量より難易度の高い仕事であるストレッチな業務にアサインされること、言い換えると難しい仕事への挑戦に関する壁について、結果を年次別に比較しました。
まずは、「難しい仕事をすることがある」について年次別に見ると、社会人2年目が42.7%と最も高い割合となりました。次に社会人4年目が37.7%、社会人3年目が36.7%となりました。
次に、「仕事の判断を任されることがある」においては、社会人2年目が47.7%と最も高い結果となり、次に社会人3年目が43.7%、社会人4年目が43.3%と続きました。
難しい仕事や、仕事の判断を任されることがあると感じるのは、どちらも社会人2年目が、3年目4年目と比べて高い割合となりました。(図1)
2. 全年次が難しい仕事と感じるのは「スキルアップへの挑戦」。
2年目は「上層部とのやり取り」、3年目は「影響範囲の大きい業務」、4年目は「リーダーシップの発揮」においても難しさを実感
ここからは、前述した「難しい仕事をすること」「仕事の判断を任されること」について、具体的にどのような場面か、またそれらのストレッチな業務をどのように捉えたか、結果を一部ご紹介します。
まずは、「難しい仕事をすること」とは具体的にどのような場面か、各年次に質問しました。結果、「資格取得や研修などスキルアップに挑戦できる」場面が、各年次最も高い結果となりました(社会人2年目25.0%、社会人3年目26.4%、社会人4年目19.5%)。
2番目以降は、年次により回答が分かれる結果となり、特に年次で差が出た項目は、社会人2年目の「上層部のメンバーと直接やりとりができる」が他年次と4.7ポイント以上の差をつけ18.0%に。社会人3年目は、「影響範囲が大きい業務へのアサインがある」が12.7%、「チーム横断のプロジェクトなどへのアサインがある」が11.8%となり、どちらも他年次と3ポイント程度、差が出ました。社会人4年目は「リーダーシップを発揮することが求められる」が15.0 %となり、2年目とは8.7ポイントの差がつく結果となりました。(図2)
3. 難しい仕事と感じる場面は「成長の機会」「期待に応えよう」と全年次がポジティブに捉える
難しい仕事への挑戦に対し、各年次の社員はどのように捉えているのでしょうか。
「成長の機会と感じた」が全ての年次で最も高い結果となり、社会人2年目は39.1%、社会人3年目は38.2%、社会人4年目では46.0%となりました。次に「期待に応えようと感じた」が入り、2年目34.4%、3年目28.2%、4年目31.0%と続きました。仕事が難しいと感じる場面では、ポジティブに捉える社員が多いことがわかります。(図3)
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