若手社員の意識調査 入社前後のギャップ編(社会人1年目/離職意向別編)
離職防止のカギは、上司との「悩み相談のしやすさ」 上司との関係性の中で安心感をいかにつくるか
2022年8月31日
当社では、2022年7月、2022年に社会人1年目を迎えた新入社員300人を対象に、入社前と入社後に感じたギャップに関する意識調査を行いました。本調査レポートでは、入社前後のギャップのうち、離職意向の有無についての属性で分析した調査結果を公表いたします。
背景
社会人は誰もが多くの障壁を体験します。特に、新入社員は学生から社会人になることで生活環境が大きく変化し、仕事の内容や人間関係、職場環境などにおいて入社前にイメージしていた理想と入社後に直面する現実との間に大きなギャップを感じ、リアリティショックを受けることもあるでしょう。そのようなリアリティショックがポジティブに働けばよいのですが、ネガティブに働けば、昨今問題視されている早期離職につながりかねません。そこで当社は、入社1年目に感じるギャップが、離職意向にどのような影響を与えているか実態調査を行いました。本調査結果が、新入社員育成に悩む経営層、人事担当者、さらには現場の管理職の方にとって、有益な情報となれば幸いです。
調査結果の概要
- 1.離職意向ありは、ない人よりも入社時のギャップを感じる割合が高く、約10ptの差
- 2.離職意向ありがネガティブに感じるギャップの上位は「仕事の難易度」「生活リズムや考え方」
- 3.離職意向ありが最も『会社を辞めたくなった』と感じたギャップは「社会人の生活リズムや考え方の習得」
- 4.仕事に関するものは、離職意向ありは『不満』、離職意向なしは『不安』の感情に繋がりやすい
- 5.『会社を辞めたくなった』ギャップ、生活リズムに続き「上司との関係性」の3項目が上位に
- 6.離職意向ありは、職場の雰囲気・文化のギャップに対し、『不安・大変』とマイナスの感情を抱く
- 7.様々な感情の中で、上司との相談における『安心した』が離職意向ありなしで最大の差
1.離職意向ありは、ない人よりも入社時のギャップを感じる割合が高く、約10ptの差
本調査では、社会人1年目(以下『新人』と記載)に対し、生活リズムや社会人としてのマナー、仕事に関すること、上司との関わりなど、11個の項目(以下『11のギャップ項目』と記載)について、入社前後にギャップを感じたか質問しました。その結果を、離職意向がある新人とない新人でどのような違いがあるか比較しました。
結果、離職意向のある新人で最もギャップを感じた項目は、「生活リズムや社会人としての考え方(顧客志向・当事者意識など)の習得(82.1%)」となりました。次に、「社会人の基礎的なマナーの習得(72.6%)」、「配属先(71.4%)」と続く結果でした。
一方、離職意向のない新人の感じたギャップは、「生活リズムや社会人としての考え方(顧客志向・当事者意識など)の習得(64.9%)」が離職意向ありと同様に最も高くなりました。2位以降は「上司から仕事のアドバイス(63.7%)」、「上司への悩み相談(57.9%)」と上司との関係性における項目が上位となりました。
全ての項目で離職意向のある新人が、ない新人を上回る結果となり、11のギャップ項目の平均値を比較したところ、離職意向のある新人では平均65.3%がギャップを感じているのに対し、離職意向のない新人では平均55.7%となり、約10ptの差に。離職意向のある人が、離職意向のない人よりも、入社前後にギャップを感じていることが明らかとなりました。(図1)
続きはこちらからお読みいただけます
下記フォームに必須事項をご入力ください(30秒)
調査・研究 一覧
-
2024年11月8日 管理職意識調査(2024年 努力編)
管理職が求める会社からの支援、「上司との交流」と「自己学習」の機会 -
2024年10月1日 管理職意識調査(2024年 部下へのフィードバック編)
半数以上の管理職がフィードバックに躊躇!実態把握・見直しが組織力向上へ -
2024年9月20日 管理職意識調査(2024年 部下育成編)
部下育成の課題を感じる場面、ステージ別に差異 「部下育成の正しい知識」を習得する機会提供を -
2024年9月10日 管理職意識調査(2024年 悩み・課題編)
管理職育成の鍵は「ステージ別の課題への理解」ー新任管理職・ベテラン管理職・幹部候補ー -
2024年7月10日 新入社員意識調査(2024年 業界別編・卸売業・小売業)
卸・小売業の新入社員は、マネジメント志向他業種より高く3割・成長のポイントは「成功体験」と「人脈形成」の支援