新入社員意識調査(製造業界編)
製造業の新入社員は、安定志向・他者貢献が高い !気持ちの維持とスキルアップへの導きが重要
2022年7月12日
当社では、2022年3月31日~5月13日の期間、2022年入社の新入社員4,659人を対象に、働くことに関する価値観について実態調査を行いました。本調査レポートでは、その中でも製造業に入社した新入社員の価値観について分析、考察しています。
背景
2022年入社の新入社員はZ世代とも呼ばれ、物心ついたときからすでにデジタル技術が発達している社会で育ってきました。さらに今年の新入社員は新型コロナウイルス感染症の影響により、学生時代の後半はオンライン授業やWEB会議ツールを用いたゼミなど、コミュニケーションの大部分をオンラインで行いました。社会では働き方改革やワークライフバランスといったプライベートと仕事のバランスを見直す動きもあり、転職や副業など、一つの会社だけにとどまらないキャリア形成を見聞きする機会も多くありました。このような今年のZ世代新入社員は、仕事に対してどのような価値観をもっているのでしょうか。今回は、特に製造業の新入社員の価値観について実態調査を行いました。本アンケート結果が、組織づくりや新入社員育成に悩む経営層、人事担当者、さらには現場の管理職の方、OJT担当の方にとって有益な情報となれば幸いです。
調査結果の概要
- 1.「今の会社で長く働き続けたい」割合が他業種よりも15ポイント以上高く7割超
- 2. 他業種よりも「安定した生活」を求める割合が高く、家族や社会への貢献意識も高い傾向
- 3. スキルアップに取り組んでいる人が少なく、「成長」への関心度が低い傾向
1.「今の会社で長く働き続けたい」割合が他業種よりも15ポイント以上高く7割超
はじめに、製造業の新入社員に「今の会社で働き続けたいですか」と尋ねたところ、73.8%が「できれば今の会社で働き続けたい」と回答し、製造業を除く全業種(以下、『他業種』と記載)よりも16.3ポイント高い結果となりました。一方、「そのうち転職したい(7.3%)」と回答した割合は、他業種に比べて9.5ポイント低い結果となり、製造業の新入社員は他業種に比べ、ひとつの会社で長く働くことを求める傾向が見られました。(図1))
2.他業種よりも「安定した生活」を求める割合が高く、家族や社会への貢献意識も高い傾向
次に「どのような状況であれば今の会社で働き続けたいと思いますか」と尋ねたところ、1位は「職場の人間関係が良い(70.8%)」、2位「高い給与・賞与をもらえる(55.4%)」3位「仕事を通じて成長できる(33.6%)」、4位「業績が安定している(33.4%)」でした。
いずれも他業種と同じ順位でしたが、「職場の人間関係が良い」は5.6ポイント、「業績が安定している」は7.2ポイント高い結果に。一方3位の「仕事を通じて成長できる」は8.0ポイント低くなり、最大の差となりました。(図2)
次に、「仕事を通して何を成し遂げたいですか?」という質問では、1位「安定した生活を送りたい(66.0%)」、2位「自分を成長させたい(55.8%)」、3位「家族に恩返しをしたい(52.9%)」、4位「社会に貢献したい(36.7%)」と、こちらも他業種と同じ順位でした。
各割合を見てみると、「安定した生活を送りたい」は他業種よりも3.0ポイント高く、「家族に恩返しをしたい(52.9%)」「社会に貢献したい(36.7%)」はそれぞれ5.2ポイント、5.3ポイント高い結果となりました。一方、「自分を成長させたい」は5.9ポイント低い結果でした。(図3)
製造業の新入社員は他業種と比べると、安定した生活を送れることを重視し、また家族や社会などに対して貢献意欲が高い傾向が見てとれました。
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