管理職意識調査(2024年 努力編)
管理職が求める会社からの支援、「上司との交流」と「自己学習」の機会

2024年11月8日

調査・研究

2024年5月20日~7月17日の期間、当社の管理職向け研修の受講者415名を対象に管理職意識調査を行いました。今回は管理職の成長や努力に焦点を当てた結果を公表します。

〈背景〉

近年、働き方の多様化やDXへの対応など、ビジネス環境の変化に伴い、管理職業務が複雑化・高度化していると言われています。当社で実施した調査結果*1によると、約8割の管理職が、求められることが10年前と比べて変化したと回答しています。そこで、当社は仕事の難易度が高まる管理職の実態を調査すべく、「悩み・課題」「部下育成」「部下へのフィードバック」と三つのテーマに分けてレポートを公表してきました*2。半数以上の管理職が「部下の育成」に最大の悩みを抱え、その悩みを抱える場面は、役職や経験値により異なることが明らかとなりました。

今回は、管理職が自身の役割を果たし、成長するためにどのような努力をしているか、また成長するために会社へ求める支援は何かをまとめました。本レポートが、管理職や管理職の育成を検討される経営者・人事担当者の皆さんにとって一助となれば幸いです。

(概要)

調査結果の概要

  • ● 約8割の新任管理職は、課題を感じることが「とてもよくある」「よくある」と回答く

  • ● 管理職の役割を果たすため、新任ほど「観察力」「聞く力」の強化に取り組む結果に。幹部候補は「経営方針への理解」も重視

  • ● 自身の知識・スキルを伸ばす努力、新任「周囲へ助言を求める」、経営幹部「新たな取り組みへの挑戦」が突出

  • ● 会社からの成長支援、「経営層・上司」とのコミュニケーション機会や「自己学習機会」を求める傾向に

約8割の新任管理職は、課題を感じることが「とてもよくある」「よくある」と回答

本レポートでは、課長クラス以上の管理職(以下「管理職」と記載)のうち、1~3年目の課長クラスを「新任管理職」、4年目以上の課長クラスを「ベテラン管理職」、部長クラスを「幹部候補」と三つのステージに分類し、ステージ別に比較をしていきます。

新任管理職 1~3年目の課長クラス
ベテラン管理職 4年目以上の課長クラス
幹部候補 部長クラス

はじめに、管理職としての役割を果たす中で、課題を感じることがどれほどあるか、実感度合いを質問しました。

結果、「とてもよくある」「よくある」と回答した割合は、新任管理職では79.1%、ベテラン管理職では64.7%、幹部候補では53.0%となりました。ステージが低い管理職ほど、自身の役割に対して課題を感じやすいことがわかりました。(図1)

(図1)

管理職の役割を果たすため、新任ほど「観察力」「聞く力」の強化に取り組む結果に。
幹部候補は「経営方針への理解」も重視

管理職としての役割を果たすために努力していることを質問しました。

結果、新任管理職では「部下のことをよく観察する」「聞く力を強化する」と回答した人が最も多く、53.6%でした。次に「部下の強み・弱みを知る」が51.8%と続きました。

ベテラン管理職では、「部下の強み・弱みを知る」が54.3%、「部下のことをよく観察する」が45.7%、「聞く力を強化する」が43.1%と続きました。

幹部候補では、「部下の強み・弱みを知る」が47.0%、「部下のことをよく観察する」が43.9%、「経営の方針を深く理解する」が42.4%と続きました。

各ステージ共通して、部下への理解に関心が向いており、その割合は、ステージが低い管理職ほど高いことがわかりました。また、管理職の経験を積むにつれて、経営方針や競合他社への理解を深めようという姿勢が高まる様子も見受けられます。(図2)

(図2)

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