Webマーケティングとは?基礎知識から実践方法まで徹底解説

published公開日:2024.07.11
Webマーケティングとは?基礎知識から実践方法まで徹底解説
目次

Webマーケティングは、企業がWebを活用して行うマーケティング活動です。本記事では、Webマーケティングの基礎知識から、SEOやWeb広告、コンテンツマーケティングなどの具体的な実践方法まで、体系的に解説します。デジタル時代に欠かせないWebマーケティングの理解を深め、マーケティング戦略にお役立てください。

Webマーケティングとは

Webマーケティングとは、Web媒体で行うマーケティングやプロモーション活動のことです。Web媒体を活用し、自社のWebサイトへの集客や、商品やサービスの販売促進、ブランディングなどを目的としています。

Webマーケティングの特徴と目的

従来のマーケティングと比べ、Webマーケティングには以下のような特徴があります。

  • 地域的な制限がない
  • ターゲット設定を詳細に分類できる
  • 低コストで実施できる
  • 効果測定が容易にできる

Webマーケティングの主な目的は、自社のWebサイトへの集客を増やし、会員登録や商品の購入、資料請求など、最終的な成果=コンバージョンに結びつけることです。

目的を達成するために、WebマーケターはWebマーケティングに関する様々な知識を身につける必要があります。SEO対策やリスティング広告、SNS活用など、それぞれの特性を理解したうえで、目的やゴールに合わせて適切な施策を講じることが重要です。

Webマーケティングの重要性

近年、スマートフォンの普及やSNSの浸透などにより、インターネットは非常に身近な存在となりました。同時に、企業活動においてもWeb媒体の活用は必要不可欠です。

ECサイトの運営やWebでの情報発信、自社のWebサイトの活用など、Web媒体を使ったサービス提供は避けられない状況といえるでしょう。

マーケティング活動においても同様で、Web媒体の活用は欠かせません。Webマーケティングの重要性は一層高まっており、戦略的な取り組みが求められています。

Webマーケティングの種類と主な施策

Webマーケティングにはいくつかの種類や施策があります。単一の施策だけでは十分といえず、複数の施策を戦略的に組み合わせる必要があります。

ここでは、代表的なWebマーケティングの種類や施策について解説します。それぞれの特徴を理解し、自社の目的に合わせて活用しましょう。

(1)SEO(検索エンジン最適化)

SEOとは、Googleなどの検索エンジンにおいて、特定の検索キーワードで自社のWebサイトを上位に表示させるための施策です。

上位表示されることにより、広告費用をかけずに多くの訪問者を獲得できます。企業の信頼性のアピールにもつながるため、ブランディング効果も高められるでしょう。

一方で、SEOの効果が表れるまでに一定の時間がかかる点はデメリットといえます。また、検索エンジンのアルゴリズムに依存しているため、アルゴリズムの頻繁なアップデートに常に対応が求められる点にも注意が必要です。

検索エンジンは、ユーザーの検索キーワードに対して、最も有益と考えられるサイトを上位に表示する傾向があります。SEOで成果を出すためには、適切な検索キーワードを選定し、ユーザーにとって有益なコンテンツを作成することが重要です。

(2)Web広告

Web広告には様々な種類があります。ここでは、以下の4つの広告について解説します。

リスティング広告

リスティング広告は、ユーザーが検索した内容に関連する広告を、検索結果ページの上部や側面に表示する手法です。ユーザーの検索キーワードに応じて配信できるため、見込み客の興味関心にマッチした広告を表示できます。

キーワードごとにオークション形式で入札が行われ、入札額や記事の品質などにより、掲載順位が変わります。同業他社と競合しやすいことや、費用が変動するクリック課金型のPPC(Pay Per Click)広告であるため、こまめな運用の見直しが必要です。

アフィリエイト広告

アフィリエイト広告は、ブログやメルマガ、SNSなどのメディアに広告を掲載し、自社のWebサイトへの訪問者を増やす手法です。広告費用は成果報酬型の場合が多く、資料請求や問い合わせ、商品の購入などが成立してから発生します。

アフィリエイト広告の掲載は、広告主と提携するメディア(アフィリエイター)を仲介する、ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)を使用することが一般的です。自社のWebサイトだけでなく、様々なメディアから集客が可能になります。

アドネットワーク広告

アドネットワーク広告は、複数のWebサイトに広告を一括で掲載できるサービスです。広告主とメディアを仲介し、多数のWebサイトやSNSに効果的に広告を配信します。メディア側も広告主を探す手間が省けるため、広告主と媒体の双方にメリットがあります。

リターゲティング広告

リターゲティング広告は、一度自社のWebサイトを訪れたものの、問い合わせや購入に至らなかったユーザーに向けて、再度配信する追跡型の広告です。一度サイトを訪問したことがあるユーザーは、商品やサービスに興味関心が高いと考えられるため、再度アプローチすることによりコンバージョンが期待できます。

(3)コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングは、自社のWebサイトやオウンドメディアで、ユーザーの関心を引くコンテンツを継続的に発信する手法です。商品の紹介だけでなく、ユーザーの悩みを解決する情報を提供することで、信頼を高め、ファンの獲得につながります。

魅力的なコンテンツ制作には時間と労力がかかりますが、長期的な集客やブランディングにつながります。

(4)SNSマーケティング

SNSマーケティングは、X(旧Twitter)やInstagram、Facebook、LINEなどのSNS上に自社アカウントを開設し、フォロワーとの関係性を築く手法です。基本的には媒体費用はかからず、SMM(ソーシャルメディアマーケティング)と呼ばれることもあります。

詳細なターゲット設定が可能で、商品の情報発信やキャンペーンの告知、問い合わせ対応など幅広く活用できます。商品やサービスに興味関心を持つユーザーに、効果的にアプローチできる点も魅力です。

またユーザーと直接コミュニケーションを取れる点も魅力です。SNSで自社の投稿がシェアされることにより、さらなる拡散も期待できます。

(5)メールマーケティング

メールマーケティングはメールを配信することにより、集客や販売促進などつなげる手法です。顧客のニーズに合わせた情報を提供することにより、信頼が高まり、最終的な成果を獲得しやすくなります。

また、MA(マーケティングオートメーション)ツールを活用することで、効率的にメールを配信できます。MAツールは顧客獲得におけるマーケティング活動を自動化するソフトウェアです。顧客の行動履歴に基づき、タイムリーな情報や興味関心を持ちやすい情報を送ることで、コンバージョン率(成約率)の向上が期待できます。

Webマーケティングの進め方とステップ

ここでは、Webマーケティングの進め方とステップについて解説します。Webマーケティングを成功に導くためには、以下のステップが重要です。

  • 目標設定
  • 施策の選定
  • 効果測定と分析
  • 改善とPDCAサイクル

それでは、1つずつ見ていきましょう。

目標設定

まず、Webマーケティングにおける目標を具体的に設定します。次に、ターゲットとなる顧客像を明確にします。性別や年齢、居住地といった属性だけでなく、ターゲットの悩みや課題、趣味嗜好なども可能な限り具体的に定めましょう。

そして、最終ゴールの達成に向けたKPI(重要業績評価指標)を設定します。サイト流入数や商品ページの閲覧数、問い合わせ数など、施策ごとに達成すべき数値目標を細分化していきます。

施策の選定

目標やターゲットを設定したら、目標達成に向けてどのようなWebマーケティングの手法や施策を実行するかを検討します。ターゲットの特性や予算なども踏まえ、いくつか組み合わせて実行することが大切です。

効果測定と分析

Webマーケティングの取り組みについて、関連するデータを収集し、定期的に効果測定を行います。サイトへのアクセス数やコンバージョン数など定量データだけでなく、問い合わせ情報やアンケート内容などの定性データについても分析し、検証します。

改善とPDCAサイクル

検証の結果、改善の必要がある場合は、施策を修正しPDCAサイクルを回していきます。

例えば、サイトへの流入数が一定数あるにもかかわらず、コンバージョン率が低ければ、LPO(ランディングページ最適化)を行います。また、サイトを訪問したものの、問い合わせにつながらなければEFO(入力フォーム最適化)に力を入れる必要があります。

継続的な改善が、Webマーケティング成功への近道といえるでしょう。

LPO(Landing Page Optimization、ランディングページ最適化)

LP(ランディングページ)とは、商品やサービスの購入など、特定の目的を持ったユーザーを誘導するためのWebページです。主に1ページのシンプルな構造と、明確に行動喚起できる点が特徴です。

LPO(ランディングページ最適化)とは、訪問者が途中離脱せず、スムーズにコンバージョンへ導くためにLPを改善することです。コンバージョンへのわかりやすい導線やユーザーに好まれるサイトデザインが求められます。

EFO(Entry Form Optimization、エントリーフォーム最適化)

EFO(エントリーフォーム最適化)は、ユーザーの離脱を防ぐため、問い合わせフォームや申し込みフォームを改善することです。入力の負担を減らすため、シンプルで入力しやすい設計が求められます。

項目を最小限に絞り、必要な情報だけを聞くことで、ユーザーの離脱を防ぐことがポイントです。

Webマーケターに求められるスキル

Webマーケターには、Webマーケティングに関する様々なスキルが求められます。ここでは特に重要と考えられる3つのスキルをご紹介します。

デジタルに関する知識

Webマーケターには、マーケティング知識だけでなく、デジタル全般に関する理解が必要です。エンジニアのような専門的な知識や技術は不要ですが、デジタル媒体の基礎的な知識が求められます。

データ分析力

Webマーケティングの特徴の1つは、結果が数値で明確にわかることです。ユーザーの行動をデータとして収集し、分析することで、次のマーケティング戦略に活かせます。

Webサイトの訪問者データを解析し、訪問者の行動パターンを把握することで、的確な改善策を講じられるでしょう。

コミュニケーション能力と柔軟性

Webマーケティングには非常に多くの工程があるため、チームでの連携が不可欠です。Webディレクターやデザイナー、ライター、営業担当者など、多くの関係者と協力し、円滑に業務を進めるためには、コミュニケーション能力が重要です。

また、プロジェクトで発生する様々な問題に対して、柔軟に対応する力も求められます。

Webマーケティングに役立つ資格

Webマーケティングの仕事は多くは未経験から可能です。必ずしも資格が必要というわけではありませんが、資格を取得することでキャリアアップや転職に有利に働きます。最後に、Webマーケティングに役立つ資格を3つご紹介します。

マーケティング・ビジネス実務検定

マーケティング・ビジネス実務検定は、マーケティング実務の知識とスキルを評価する資格です。マーケティング理論に加え、実際の仕事で役立つ総合的な知識を習得できます。

試験はA級、B級、C級の3つのレベルに分かれています。C級は基礎レベル、B級は応用レベル、A級はマネジメントレベルです。国際実務マーケティング協会が主催し、年に4回実施されています。

参考:国際実務マーケティング協会「マーケティング・ビジネス実務検定」

Webアナリスト検定

Webアナリスト検定は、Googleアナリティクスの活用方法を体系的に学ぶための資格です。5時間のオンライン講座で理解を深めてから受験できます。合格率は約8割と比較的、取得しやすい資格といえます。

参考:日本Web協会「Webアナリスト検定」

Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)

Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)は、Googleアナリティクスの習熟度をGoogleが公式に証明するものです。試験は無料で、在宅で受験できます。資格の有効期間は12カ月となり、期間が過ぎると失効します。

参考:Google「Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)」