イノベーションを起こすきっかけは多様な人材との交流にあり
「イノベーションを起こす第一歩」は、日々の取り組みの中に
「イノベーション(innovation)」。皆さんも、毎日のように見たり聞いたりしているのではないでしょうか。かく言う当社でも、社名に「イノベーション」という言葉が入っていることもあってか、従業員は皆、イノベーションを意識して日々の仕事に取り組んでいます。
「新機軸」や「革新」と訳されるイノベーションは、新製品の開発や新市場の開拓、生産組織の改革などによって、経済発展や景気循環がもたらされるとする概念です。日本では従来、「技術革新」や「経営革新」と言い換えられてきました。そのため、「イノベーションは大規模な技術開発から生まれるもの」というように、世間をあっと驚かせるような大きなことと思われがちで、自分とは関係ない、難しそうと感じてしまう方が多いのが実情です。
しかし、イノベーションとは必ずしも高い技術や大規模な革新を伴うものばかりではありません。新しい切り口や視点で会社や組織に貢献する価値を生み出すことでもあり、イノベーションは身近なもの、もっと言うとイノベーションは誰でも起こすことができるものなのです。
では、どうしたらイノベーションを起こせるのでしょうか。まずは、日常のどのようなところにイノベーションの種が眠っているのかを考えていきます。例えば日々の仕事を思い浮かべてみてください。業務の遂行に当たっては、自分なりの進め方を築き上げ、素早くこなしている方も多いかと思います。もちろん、業務を迅速に進めることは大切ですが、「何か別のアプローチができないか?」と、少し視点を変えてみるとどうでしょうか。これまでに思いつかなかった全く違うアイデアが生まれるかもしれません。これこそがイノベーションの種です。日々の小さな工夫や改善を繰り返すことで、新しいアイデアが生まれ、そこから価値の高いものを生み出す。このように、イノベーションの種は日常のいたるところに落ちているのです。
「共創」がイノベーションへと導く
イノベーションを導く取り組みの一つとして、近年話題の「フューチャーセンター」について触れたいと思います。フューチャーセンターとは、組織や立場の異なる人が自由に関係性をつくり、創造的な対話によって問題解決を図る「場」のことで、日本でいち早くフューチャーセンターを取り入れた富士ゼロックスでは、「未来志向で創造的に対話するための場」と定義しています。
いつものメンバーといつもと同じ会議室に集まって議論しても、新たな発想はなかなか生まれないものです。一方、多様な価値観やバックグラウンドを持った人が非日常的な空間に集まり、多様な知がぶつかり合えば、思いも寄らないアイデアが生まれることがあります。そのアイデアを深め、形にしていく――。フューチャーセンターとはこのような「共創」の考えから始まった取り組みで、創造的な議論を行うソフト面の仕組みはもちろん、ハード面(=空間デザイン)でも工夫が施されているのが特徴です。例えば、家具の形やデザインに遊びの要素を取り入れる、目的に応じて什器を自由に動かせる...など、創造性を育みやすい環境が整えられています。非日常的な空間での多様な視点の絡み合いによって、様々な革新的なアイデアが創出されることから、フューチャーセンターはイノベーションにつながる場として注目されているのです。
また最近は、業種や年齢が異なる人同士が集まって仕事を行う「コワーキングスペース」を活用する会社員や自営業者、学生などが増えています。フューチャーセンター同様、非日常の空間を演出し、多様なバックグラウンドを持った人が集まるコワーキングスペースでは、利用者同士がノウハウやアイデアを共有しながら協働しています。意外な発見・発想につながることもあり、イノベーションを起こす一つの場として捉えられているようです。
フューチャーセンターやコワーキングスペースの考え方からも分かるように、イノベーションを生む・生もうとする企業・人の多くが、働く空間を「作業の場」ではなく、「他者の刺激を受けアイデアを創造する場」と位置付けているのではないでしょうか。当社でも、壁に囲まれた会議室だけでなく、立ち話ができるテーブルや仕切りのない会議スペースを設置したり、カラフルな什器を置いたカフェスペースで仕事ができるようにしたりと、ハード面からも創造性につなげるための“働く空間”づくりに取り組んでいます。
多様な人材が集う公開型研修でイノベーションを推進
前段では、フューチャーセンターやコワーキングスペースといった「場」がもたらすイノベーションについてお伝えしましたが、「非日常的な場で多様な人材と交流する」もっと身近な手段があります。その一つが公開型の研修です。公開型研修では、講師という外部の意見や考えを聞けるのはもちろん、普段接することのない異業種・異職種の方と交流することができるため、そこから得られる視点はたくさんあります。例えば当社では、同じ志を持った受講者たちが集まり、対話を通して協力しながら学び合う「ピア・ラーニング」により、日々の行動の変化や意識の変革につなげてもらう研修も提供しています。
公開型の研修にもイノベーションの種が眠っていることはご理解いただけたと思いますが、受講に当たって忘れてはいけないことがあります。それは、「交流するだけ」「話を聞くだけ」ではイノベーションにつながらないということです。他者との交流で新たな気付きを得て、その気付きをイノベーションに変えていくには、日ごろから課題意識を持ち、知識や技術、スキルを磨くための行動を自ら考えて実践することが大切です。
ALL DIFFERENT株式会社は、皆さんがイノベーションを起こす第一歩を踏み出せるよう、様々な人材育成サービスを提供しています。まずは多様な人材と交流してみる。そこから、小さなイノベーションを感じてみてはいかがでしょうか。