人材育成の「仕組み」、皆さんの会社にはありますか?
人材育成の成功は競争優位を生む
当社は、主に中堅中小企業の人材育成をご支援する会社です。日々、中堅中小企業のお客様にお会いする中で、「経営上の課題ベスト3を教えてください」というお話しをすると、およそ5社に4社程度の確率で「人材育成」をあげられます。
私どもは、日々人材育成と向き合っていますので、人材育成が簡単ではないこと、一朝一夕では成しえない取組みであることがよく分かっています。しかし、過去何千社ものお客様をご支援してきた実績があるからこそ、「人材育成」をお悩みに挙げられる企業に対して自信を持ってお伝えできることがあります。
それは、「人材育成は決して簡単ではないけれど、正しいやり方で正しくやり切ることができれば、必ず効果が出る」ということです。
そして、簡単ではないからこそ、一朝一夕では成しえることができないからこそ、人材育成の成功企業は、他社には追い付くことも、マネをすることもできないほどの圧倒的な競争優位を築くことができるのです。
では、人材育成の手段にはそもそもどのような手段があるのでしょうか。
まずは数ある人材育成の手段から、自社にあった手段を選ぶこと
皆さんは、人材育成の手段というと、どのような手段を思い浮かべるでしょうか。社内のOJTはもちろんのこと、外部研修、自己学習、社内勉強会、など教育という観点の手段もあれば、メンター制度や、ブラザー・シスター制度など社内の制度という観点でも相当量があるでしょう。人材育成を成功させるには、数あるこれらの手段の中から、まずは自社で実施したい育成内容にあった手段を正しく選択することが重要です。「とりあえず何か導入すれば効果が出る」というわけではありませんので、適した手段を選ぶために、まずはそれぞれの手段の特徴や、メリットデメリットを把握するとよいでしょう。
研修導入成功のポイントは「仕組み」にあり
多岐に渡る人材育成の手段の中でも、代表的なものとして研修があります。当社も、公開型研修、集合型研修、Online動画研修やe-learning研修など様々な研修形態でご支援をしています。本日はこの研修という手段にフォーカスをして、効果を出すためのポイントをお伝えしていきます。
研修には、様々なメリットがあります。例えば外部研修などであれば、その分野の専門家から話が聴ける、ポイントを分かりやすく体系的に学ぶことができる、日頃触れ合うことのない人と意見交換をしたりする事で刺激を受けることができる、といった点です。以前ご紹介したコラム でも様々な研修の特徴やメリットを記載しておりますので、よろしければそちらも参照してください。
しかしながら、研修の特徴として、効果が一時的で持続しない、研修当日は盛り上がるものの、翌日から業務に戻ると忘れ去られてしまうなど、研修単体の「効果」という側面では、課題があることも確かです。つまり、研修は様々なメリットがあるものの、研修をただ受けただけでは効果は得づらいということです。
では、研修で効果を得るポイントは何があるのでしょうか。
それが、本日のキーワード「仕組み」です。
研修で効果を得るためには、もちろん大前提として研修に求める効果が何か、ということを決めておく必要があります。本日は「研修で学んだことをしっかり理解している」「研修で学んだことが実務の場面で活かされている」という一般的に研修に求められている効果をイメージして、お伝えします。
4:2:4って何?
皆さんは、4:2:4 この数字は何の数字かご存知でしょうか。この数字は、ロバート・ブリンカーホフ博士という方が、世界最大の人材育成カンファレンスにおいて報告をした、研修の効果に纏わるある数字です。この数字の意味は、「研修効果に影響を与える要素割合」を示したもので、かみ砕いて言うと、研修の効果が何にどの位起因しているかを説いた数字です。具体的に言うと、研修効果に影響を与える要素は、
- ・研修前の要素 4割
- ・研修そのものの要素 2割
- ・研修後の要素 4割
であるというものです。言い換えれば、研修そのものが効果に与える割合は、たった2割でしかないということです。残りの8割は、実に研修前後の要素、つまり企業における研修前後の「仕組み」にかかっているのです。
いかがでしょうか。今までの研修に抱いていた効果のイメージが覆されたという印象を受ける方もいらっしゃるのではないでしょうか。誤解のないように補足をしておくと、この報告は決して研修が意味がないものだという話ではありません。研修は人材育成の手段として有効であることは確かですが、研修の効果を最大限享受するためには、研修の前後の「仕組み」が極めて重要であるということになります。
研修前の仕組みとは
では、具体的に研修前に設けるべき「仕組み」にはどのようなものがあるのでしょうか。
大きな要素としては、以下のようなものが挙げられます。
- ・「いつまでにどうなるのか」というゴールを設定すること
- ・ゴールを達成するための受講計画を策定すること
- ・計画通りに推進するための運用ルールを策定すること
- ・研修受講に向けた動機づけを行うこと
(期待を伝達する、本人に課題を認識をさせる、受講の期待感を醸成する など)...等
特に、対受講者という観点では、研修受講に向けた動機づけが非常に重要です。「何の心の準備もなく、なぜ研修を受けるべきなのか分からず受講する」という受け身の状態で研修に臨むのと、「自分自身の課題をしっかりと認識した上で、その課題を解決するために、研修がいかに有効であるかや、業務にどのようなメリットをもたらすのか」などを把握した上で研修に臨むのでは、受講態度や、研修内容の吸収率に大きな差が出ます。同じ研修を受講しても、効果が出る人と効果が出ない人がいるのは、こうした研修に臨む姿勢が大きな影響を与えているのです。当社でもまずは自身の実力や、課題の自己認識をしてから研修を受講することをお勧めしています。当社では、自身の課題を定量的、客観的に測ることのできるビジネススキル診断テスト もご用意しておりますので、ご興味ある方は、ぜひご確認ください。
研修後の仕組みとは?
次に研修後の「仕組み」として設けるべきは何でしょうか。
こちらも大きな要素としては以下のような要素があげられます。
- ・ゴールが達成できたかを確認する
- ・計画通りに推進できたか、運用ルールが適切だったかを振返る
- ・学んだことを理解しているかを確認する
- ・学んだことを業務の場面で活用できているかを確認する
こちらも、受講者という観点では、学んだことを理解しているか、学んだことを業務で活用できているか、を確認しサポートする仕組みの構築が重要です。例えば、学んだことを理解しているかを確認するための仕組みとしては、研修で学んだ内容を人に伝えたり、テストで理解度を測るなどの方法があります。学んだ内容を人に伝える具体策としては、翌日の朝礼で学んだ内容を要約して3分間スピーチを行ったり、受講報告書やレポートを書くなどの仕組みがあげられます。
業務の場面で活用できているかを確認するための仕組みとしては、学んできたものの中から業務に活かすことを3つ決め、実行宣言をするとともに、一定の期間が過ぎたら実際に実行できているかの進捗を確認するなどの方法があります。このような仕組みを構築し、継続的に改善改良を行いながら推進していくことができれば、いわゆる「研修を受けたは良いが、受けっぱなしで効果が出ない」という状態を避けることができます。
いかがでしたでしょうか。研修前後の「仕組み」は皆さんの会社にしっかり整っていらっしゃるでしょうか。研修は貴重な時間とお金を投資して行う施策です。投資を無駄にしないように、ぜひ貴社の「仕組み」が適切に構築できているかどうか、またそれらが実際に適切に運用できているかどうかを確認してみてください。
当社がご提供しているBiz CAMPUS では、本日お伝えしたような「仕組み」の構築を全て無償でサポートしております。運用の負荷を軽減するためのシステムもご用意しておりますので、ご興味ある方はぜひ、説明会にご参加いただければと思います。