コミュニケーション力アップのコツは「相手の視点」で考えること
「伝える」ではなく「伝わる」ことがコミュニケーションの基本
誰もが日常的に行っているコミュニケーション。そのため、コミュニケーションという行動をあまり深く考えたことのない方も多いのではないでしょうか。言葉や身振り手振り、表情などを用いて意見や意思の交換をしたり、情報をやり取りしたりすること、つまり人と人との間で「知覚」「感情」「思考」を伝達し合うことがコミュニケーションです。特にビジネスシーンにおいては、相手に伝えたいことを伝え、内容を理解してもらい行動に移してもらうことこそがコミュニケーションの基本だと言われています。
ビジネスでは、社内会議や上司への報告、部下への指示、お客さまや取引先への説明など、様々な場面で相手に「伝わる」話し方が求められます。しかし、人によって物事の考え方や捉え方、置かれている状況が異なるため、「うまくコミュニケーションが取れない」と悩んでいる方が大勢いらっしゃるのが実情です。時には、お客さまとのちょっとした行き違いから、大きなトラブルへと発展してしまうことも。また近年は、ITツールの普及・活用や在宅ワークといった新しい働き方の導入などにより対面でのやり取りが減ったことで、コミュニケーション不全に陥っているという企業の声も耳にするようになりました。
では、自分が伝えたいことを相手に理解してもらい、伝えた内容を踏まえ意図した行動を取ってもらうためには、どのようなポイントに気を付ければよいのでしょうか。コミュニケーション上手な人の特徴として挙げられるものには、例えば相手から信頼感を持たれる立ち居振る舞い、空気を読む力、自分の考えを発信する能力、感受性の豊かさなどがあります。その中でも当社は、受け取る相手のことをどれだけ考えられるかが重要だと考えています。いくら話し上手でも文章が流暢でも、一方的に話し掛けるだけで受け取る側の視点を持っていなければ、双方向のコミュニケーションとは言えません。コミュニケーションの目的とは何か、そしてその目的を達成するためには何を考えどう振る舞ったらいいのか。その勘所をワークショップなどで実践しながら学んでいただけるのが「コミュニケーション研修」です。
研修の効果を最大化するためにも、日ごろから「相手の視点」を常に意識しよう
コミュニケーション研修には、大きく分けてインプット系の研修と、トレーニング系の研修があります。インプット系が主にコミュニケーションの理論を伝えるものであるのに対し、トレーニング系では「きく(聞く・聴く・訊く)こと」と「発信すること」を対象に、目的別の研修が行われることが一般的です。
インプット系の研修では、コミュニケーションの目的やその目的を達成するための手法であったり、何を伝えるか、どうやって伝えるか、受け手は誰か、などを考える事前準備の重要性を学んでいきます。
また、トレーニング系の研修の中でも「きくこと」の代表的な研修が、リスニングを目的としたものです。例えば当社の「ポジティブ・リスニング」研修では、「聞く」と「聴く」の違いといった基本的なことから、「聴き上手」になるためのポイントなどを学び、さらにワークショップで実践していくことで、相手の本音を引き出す力につなげていただいています。一方的に話す、教えるのではなく、「訊く(質問する)」ことで相手の思いや考えを明確にさせるコーチングを目的とした研修も、「きく」能力を向上させる研修としてよく利用されています。
「発信すること」に焦点を当てた研修としては、トーキング、プレゼンテーション、交渉、ファシリテーション、アサーティブコミュニケーションなどのスキルアップを目的としたものがあります。話す場面を具体的に想定しながら、伝わる話し方のコツを身に付けるトーキング研修だったり、日々発生する交渉に必要なスキルや戦術を具体的に学ぶ交渉術の研修だったりと、当社でも目的に合わせた研修を多数提供しています。
コミュニケーションの目的を理解した上で、リスニング、コーチング、トーキング、プレゼンテーション...といった一つ一つのビジネススキルがアップすれば、「きく力」「発信する力」が向上する。つまり上手なコミュニケーションを取ることができるようになっていきます。
冒頭でもお伝えしたとおり、コミュニケーションは誰もが日常的に行っているものです。毎日がコミュニケーションの繰り返しですから、何のためにコミュニケーションを取るのか、誰に伝えるのか、相手の関心は何か、相手はどのような反応をしそうかなど、常に「相手の視点」を意識することが大切です。研修を受ける際も、「受け手の視点に立つことが大事なんだ」という考えを常に頭に入れておくことで、高い効果が生まれます。裏を返すと、相手の視点を持たなければ研修の効果は期待できないということです。日々の何気ない行動の見直しや意識付けと研修の活用で、社内コミュニケーションの活性化につなげていただきたいと思います。