ウェブサイトの企画・制作・運用などを手掛けるビー・ピー・ネット有限会社様。事業が成長する中、社内の組織化と管理職育成に取り組まれました。育成の実際と成果について代表取締役の板谷裕介様にお聞きしました。
- 目的
社員の急増に伴い、管理職の役割が変化
管理職としてのマインドを高めたい
- 解決策
学習と実践を繰り返し、組織目線の意識を醸成
「変革実践シート」で行動変容へ
- 成果
期待される役割に向き合う管理職が増え、組織運営への意識や行動に変化
個人目線から組織目線へ―管理職の意識・行動変容を図る
事業拡大で組織の在り方に変化
その変化の影響はどういったものだったのでしょうか。
板谷 社員の増加に伴って、社会情勢や取引先の状況などの変化もあり、各社員が個人として仕事に取り組むフェーズからチームとして業務に取り組み、成果を出すフェーズへと変わってきました。社内の組織化や、社内体制の環境整備に取り組みましたが、管理職が期待されている行動をとれていないという悩みがありました。
また、全社員に対して育成の仕組みを導入したいと考えていましたが、研修というものに慣れていない社員に対し、どのように導入を図っていけばスムーズに受け入れてもらえるのかという不安がありました。
研修の内容については、どのように方向づけたのでしょうか。
板谷 社員を仕事・プライベートの両側面で理解するため、人事担当者が社員全員(約90名)と個別面談を行い、「今の会社と社員一人ひとりにとって必要なものは何か」を検討しました。
個別面談を経て抽出された当社ならではの価値観に、ALL DIFFERENTさんが持つ管理職育成の知見を組み合わせ、ビー・ピー・ネットの管理職として必要なテーマを全8回で学べるよう研修を設計しました。
研修の細かい点についてもALL DIFFERENTさんと打ち合わせ、研修内で伝えるべき内容や社員が受け取りやすい表現・ワークの設計も行いました。
個人目線から組織目線へ、管理職のマインドを醸成
具体的にどのように取り組まれたのでしょうか。
板谷 全8回の管理職研修の冒頭に私から「個人目線から組織目線に切り替えてほしい」という期待を管理職に伝え、ビー・ピー・ネットとしての価値観の共有、意識付けを行いました。
また、毎月の研修において「学習→実践→次の課題明確化」というサイクルを回すことで、継続的な意識醸成につなげました。
具体的には、実践後に振り返りを行うシート「変革実践シート」を活用しました。このシートでは、研修で学んだ内容や次の研修までに実践する内容を記載します。提出されたシートを通して講師が受講者の状態を把握し、状況に合わせたアドバイスをしてもらい、徐々にステップアップしていきました。
板谷 人事担当者による社員全員との個別面談が、研修への抵抗や不安の払しょくにつながったと思います。また、全社員に先駆けて管理職に対する研修を行う後に、チームメンバー研修(全3回)や管理職リカレント研修(全2回)、業務フロー改善研修(全2回)などを行ったため、社員の受け止めもスムーズでした。
また、全受講者の学びの質を担保するための仕組みづくりも整えました。研修の欠席者が出た場合は、研修を録画し、後日視聴する機会を設けました。動画視聴時は担当者が同席し、ワークの実施や研修後の感想を共有・フォローすることで欠席者の学びの質を担保するように努めています。
管理職の意識が変わり、行動が変わった
板谷 管理職が期待された役割に対して向き合い、会社の柱になろうとしている言動が見られるようになりました。具体的には、個々の部下に合わせて接し方を変えるなど、良い方向の行動変容が見られました。
また、研修で得た学びや気づきから、管理職同士が自チームの組織運営について話し合う際の共通言語が生まれました。週に1回管理職全員で各チームの現状を共有し、今後に向けて討議する会議(通称:コア会)を設け、研修で学んだこと踏まえて、組織運営についてお互いに相談しアドバイスし合うサイクルができました。
実際に受講した管理職や社員からは「今まで管理職同士でコミュニケーションをとる機会がほとんどなかったが、研修を通して交流し、他のチームの管理職やお互いの部下を知ることができた」「感覚的に取り組んでいたことに理論や体系があったのか!と気づいた」「学んだことを実行してみたら現場でうまくいった!」などの声が寄せられており、研修を通じて様々な気づきを得ているようです。
今まで私自身がすべて指示しないといけなかったのですが、管理職の皆さんが変化したことによって、組織が適切に動き出していると感じています。トライして良かったと思います!