What we value.ALL DIFFERENT株式会社15周年スペシャルインタビュー「Passion×Hiroyuki Maeda」

さまざまな人の言葉を通して、
ALL DIFFERENT株式会社を知っていただくコーナー

今回は当社取締役でサービス開発・講師育成の責任者の田中より、
今日に至るまでの軌跡や、人材育成にかける思いを語ってもらいました。

Profile

事業会社にて新製品開発に従事した後、ALL DIFFERENT株式会社(旧トーマツ イノベーション株式会社)に入社。公開講座や企業内研修等、年間150回以上の研修を実施。
経営企画、サービス企画・開発の責任者を務めている。

1入社からこれまでを振り返って

サービス開発・講師育成の責任者として組織をけん引

─ALL DIFFERENT株式会社として生まれ変わる前、デロイト トーマツ グループ時代を含め、入社してからどのような仕事をされてきたのか教えてください。

2000年1月にデロイトトーマツグループに加わり、5、6年ほどはプレイヤーとして様々なテーマでコンサルタントとしてクライアントの支援をしてきました。扱うテーマは業務改善、情報セキュリティ、人事制度構築支援、経営計画立案、リスクマネジメント、BCP構築支援など多岐にわたります。累計では数百社の支援をしてきましたが、その過程で自分自身が成長することで、クライアントにより高い価値が提供できるようになっていく充実感を得ていました。

─幅広いコンサルティングをご経験されてきたんですね。現在のサービス開発に関わるお仕事には、いつ頃から携わるようになったのでしょうか?

2006年にデロイト トーマツ グループの新規事業として「トーマツ イノベーション(現・ALL DIFFERENT株式会社)」が発足し、「Biz CAMPUS Basic」の前身である集合研修サービス「イノベーションクラブ」に携わることになりました。一人のプレイヤーとして研修講師をするだけでなく、他のメンバーが研修を実施する際に使うコンテンツの作成や講師の育成することに。当初は、その役割を果たすことにかなり苦労したんです。

─主にどういう点で苦労が多かったのですか?

それまでは、コンテンツを自分で作り、そのコンテンツを使って自分が講師として研修を実施して価値を出せればよかった。しかし、自分以外のメンバーが自分の作ったコンテンツを使い、また自分ではないメンバーの講師としての話し方を改善することは、自分ができるようになることとは全く違う難しさがありました。
今でも、どのようにコンテンツを作ればメンバーがうまく活用できるのか、どのようにアプローチすればメンバーの話し方を変えることができるのか、試行錯誤の連続です。さらにその先のクライアントの変化を起こすことは探求しても、し尽せないほどの深い、広い世界だと感じます。
ただ、その試行錯誤の経験が、現在のサービス開発や講師育成の責任者としての役割を果たすための礎となっていると考えています。

2印象に残っている仕事

クライアントの"苦言"と"倒産"が私を変えた!

─コンサルティングやサービス開発を通じて数多くの企業を支援してきた中、一番印象に残っている仕事は何ですか?

まだ30代前半だった頃、業務改善支援を担当させていただいたクライアントの仕事が強く印象に残っています。当時、その会社を経営されていたのは創業社長で、年齢は60代後半くらい。社長からすると、私はまだまだ若輩者のコンサルタントと映っていたのでしょう。支援開始当初は、プロジェクトの進め方などで苦言を受けることもしばしば。正直言って、かなり苦戦していました。

しかし、どんなに厳しいことを言われようが諦めずに支援を続けた結果、月間約200万円のコストダウンを実現できるまでになり、徐々に社長の信頼を得ていきました。支援終了間際には、打ち合わせ後に宴席のお誘いを受けるくらいの関係ができ、「ちゃんと役割を果たすことができた」と安堵したものです。

ちなみにそのクライアントのオフィスは少し離れた所にあって、毎回、最寄り駅からタクシーで向かっていたんです。タクシーの中からオフィスが見えてくると気が重くなる...という繰り返しだったのですが、それも今では良い思い出ですね(笑)。

─大変な仕事を成し遂げた後の達成感や安心感が伝わってくるエピソードですね。その社長から学んだことも多かったのでは?

この仕事が終了してからは他のクライアントの支援に忙殺され、ほとんど連絡を取ることはなく疎遠になっていたのですが、3年ほど経ったある日、突如その社長から電話で連絡がありました。内容は「会社が倒産した」というものでした。売上の大半を占める顧客の経営方針が変わり、そこからの受注が激減したことで急激に業績が悪化し、倒産したということだったのです。

疎遠になっていた私にわざわざ連絡いただいたことに非常に驚きましたが、それよりも「もっと自分に力量があれば、コストダウンだけでなく売上向上の支援もできたのに」という悔恨の念を強く抱いたことを鮮明に覚えています。それ以降、「クライアントの支援を生業にするということは、絶対的に自分の力量を上げる必要がある」と考えるようになり、今でもその考えは変わっていません。

3コンテンツへの「こだわり」

クライアントの「実」にこだわることが、真に役立つサービスを生み出す

─先程のお話にあったようなクライアントと接する中で経験した悔しさも、サービス開発やコンテンツづくりの原動力になっているのでしょうか。

そうですね。その一件以来、クライアントの役に立つためには、やれる限りのことは全てやらなければならないと肝に銘じています。現在は、以前のような数ほどは直接クライアントを担当していませんが、サービス開発の責任者として、各種サービスのコンテンツづくりには一切妥協せず、そしてクライアントの「実」にこだわったコンテンツづくりを推進しています。

─「実」ですか。もう少し具体的に聞かせてください。

私たちの仕事は、最終的にコンテンツをご利用いただく個人や組織(=クライアント)が期待する効果を実現することです。どんなコンテンツも、それを利用するクライアントが実行できるものでなければ思い描く効果は得られませんし、実務で使えるものでなければ実行もされません。さらに言うと、コンテンツに触れた際、自身が直面する実際の場面をイメージできる内容でなければ、実務に活かそうと考えることすらされないでしょう。これは、いくら興味深いことを知ったとしても、いくらその場で高揚感が得られたとしても、それが「実」につながらない限り意味がないということです。

─なるほど。その場のインプットに留まらず、クライアントが実際に実務で活かせること・活きる内容であることが重要なんですね。

世の中の人材開発、組織開発のコンテンツの中には、概念的な話に終始し、コンテンツ利用者の「実」が十分に考慮されていないものもあるように感じます。そうしたコンテンツを見ていると、コンテンツを提供する側の組織や研修講師などの個人として伝えたいことばかりが優先されている気がしてならない。そうではなく、クライアントが本当に求めていることを伝える、またクライアント自身が気づいていないニーズを見極め、それに応えていく必要があるのではないでしょうか。コンテンツをつくる側・提供する側の人間、会社として、クライアントの「実」を考え続けることは必須だと考えます。その結果、クライアントにとって価値のある、また真に役立つコンテンツが出来上がるのだと信じています。

4コンテンツで実現したい「未来創り」

「持っている力を発揮できる」状況をつくる、それが私たちの使命

─最後に、ALL DIFFERENT株式会社のコンテンツだからこそ実現できると思うこと、コンテンツを通じて実現したいことを教えてください。

世の中には、持っている力をもっと発揮できるはずの個人や組織がかなりあると感じています。実際、多くのクライアントに接する中で、力を発揮しきれていないが故に自分の思い描く状況にならず、忸怩たる思いをしている個人や組織をたくさん目の当たりにしてきました。時に、どこか諦めの念や失望感が広がっているように感じることもあります。

ただ、初めからそういったネガティブな感情を抱きたいと思ってそうなっている人はいないですよね。本来持っている力を、個人として組織として発揮できるようになれば、充実感や達成感といったポジティブな状況に変わっていくはずです。私たちが提供するコンテンツがそうした変化のきっかけになれば、それほどうれしいことはありません。